関東鉄道 1668RG

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関東鉄道 1668RG/いすゞU-LR332J+富士重工業(6E)

関鉄のかつての主力であったU-LR332Jのうち、
富士重工業製車体を架装する車の中には、
車体更生の際に特徴的な外観になった車が存在します。

例えば、1604YT・1609EDはテールランプが
関鉄の6Eで標準採用されるゴールドキング製TSLから、
関鉄の8Eで標準採用されるゴールドキング製TSL-1に変更され、
非常に特徴的なリアスタイルへと姿を変えています。
1663MT1664MTと同様、改造に至った理由は不明ですが、
追突防止対策の試作的な意味合いがあるのかもしれません。

一方でこの車は、リアスタイルはそのままとなっているものの、
側面行先表示器周囲が黒色に塗装されたことが特徴です。
ゴム支持のため四隅が丸くなっている側面行先表示機の窓を、
ブラックアウト処理することで引き締まった印象に改めており、
細かい変更点ながらも、遠目に目立つ加工となっています。
なお、同種の処理は1603TKでも見ることができます。

また、この車は座席配置も特徴的なものとなっています。
U-LR332J・自社発注車は、1994年式の1665TCより、
優先席が通路向きにオフセット配置されるようになりましたが、
1994年式に限り何故か優先席が非常口側に設置されており、
乗降口側への優先席設置が標準の関鉄では異例の措置でした。
なお、1995年式の1708MK以降は優先席が他車種と同様、
乗降口側に設置されるように改められています。

従って、この車も通路向きにオフセットされた優先席が、
非常口側中ほどに二席設置されていたのですが、
車体更生に伴って実施された座席表皮の張り替えの際、
このオフセットされた座席は一般席と同じ座席表皮とされ、
その代わり新たに乗降口側前半部の二席が優先席となり、
この二席はオフセットされていないにも拘わらず、
一般席とは異なるチェック柄の座席表皮とされました。

これは他車種に優先席の位置を合わせたためでしょうが、
結果的に一般席にも拘わらずオフセット配置された座席が
その名残として生まれることとなってしまっています。
このような事例は関鉄でも唯一無二の存在でしょう。

関鉄ではポピュラーな存在であった同型式も、
淘汰が進められており、動向が注目される一両です。

【諸元】
登録番号:土浦22あ1624
年式:1994
型式:U-LR332J
機関:6HE1(7127cc 195PS/2900rpm)
ホイールベース:4.3m


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関東鉄道 1668RG への4件のフィードバック

  1. ゴリケル のコメント:

    こんばんは。
    1603TK共々、黒い側面幕周囲は地味に目立ちますね。でも8Eなどとは違って、方向幕の角が丸いので、何だか独特なイメージですよね。そういえば、現在は廃車されてしまいましたが、日野RJの1561KKや1596TCは側面方向幕周囲が白いままだったのに、1562KKや1597TCは黒塗りになっていましたね・・・。
    6年式の優先席が非常口側なのは知りませんでした。6年式も廃車が進んでいますから、全滅しないうちに良く見ておかないと・・・。そういえば先日1671Gに乗車したときにも非常口側だったかも・・・?
    因みに、1671Gのどこかの座席は、背もたれと台座の部分のシート柄が違いました。確か、背もたれ及び他の座席は9226TCと同じもの、台座は1809TR以降よく見られるもの、優先席は見たこと無い柄でした。

    ところで話題は少し違いますが、自社導入の日野RJの運転席脇に降車ボタンがあるのですが、あれは何なのでしょうか?明らかに乗客が押せる場所ではないので気になりました・・・。

    何だか段々話題が反れて申し訳ありません・・・。

  2. 大曽根線 のコメント:

    >>ゴリケル様
    いつもコメントありがとうございます。
    側面幕周囲の黒色塗装は気になるところですね。

    U-RJの側面幕周囲については冬コミ新刊でも述べましたが、
    1597TC以前は白塗り、1661KK以降は黒塗りが標準ですが、
    車体更生時に黒塗りに変更された車がいくつかあります。

    1671Gはご指摘の通り、乗降口側四列目の座面のみ
    どういうわけなのか、座席表皮が変更されていますね。
    グリーンでは同様の改造が結構散在しています。
    1671Gの優先席の座席表皮は、9189TC・9268MK等、
    ごく稀に座席張り替えなどで使用されていますね。

    RJのあのボタンの位置は他事業者でも同様だった様に
    記憶していますので、メーカーの標準仕様なんでしょうかね。

  3. 9060MT のコメント:

    こんばんわ U代の車輌が引退すると森尾製ドアブザーも聞こえなくなるので残念です…
    6Eのなかではどの車輌が最後まで活躍するか気になりますね!!

  4. 大曽根線 のコメント:

    >>9060MT
    いつもコメントありがとうございます。
    森尾電機の高音タイプも今や少数派になりましたね。
    その後は日工電気が長らく標準となっていましたが、
    2035MKからはランプ・アナウンス付きのチャイムとなり、
    一挙に近代化した印象ですね。

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