関東鉄道 1507MT/日産ディーゼルP-U33K+富士重工業(7E)
元々、日産ディーゼル車が少ない関鉄ですが、
その関鉄の自社発注車としては極めて希少な
日産ディーゼルの大型車です。
ただし、いくら希少な存在とはいっても
1989年に2ロット4両、1990年に1ロット2両と、
2年の間に計3ロットに分けて6両という具合で、
つくば科学万博の終わった微妙な時期に、
突如として投入されたにも拘わらず、
それなりに纏まった数が購入されています。
しかもその全てが水戸営業所へと集中配置され、
一つの勢力を形成する存在となっていました。
元々、大型路線車の場合はいすゞが殆どで、
そこに日野・三菱が僅かに加わるという
ラインナップであった関鉄にあって、
つくば科学万博もすっかり終わったこの時期に
このように突如として日産ディーゼルの購入が
始まった理由は気になるところですが、
以降、中型路線車及び高速路線車・貸切車にも、
日産ディーゼルの自社発注車が投入されていて、
特に水戸営業所には2002年式の1831MT・1832MTに
至るまで、継続的に投入されるようになりました。
また、この車の投入された1990年には
西武中古車の投入が始まり、それも含めて、
関鉄の日産ディーゼル車は一気に増えていきます。
仕様としては同時期に投入されたP-LV314Kのうち、
富士重工業製7Eを架装する車と殆ど同じで、
外見上の差異はP-LV314Kの場合に見られる
乗降口側のエンジン開口部がないことぐらいです。
前面方向幕は他車種と同様、1990年式より採用された
大型サイズとなっていますが、近代的な仕様はその程度で、
黒いバンパーと相俟っていまいち新しい感じがしません。
特に車内は木床に後半部三方シートとなる座席配置と
相変わらずの仕様で古臭い印象は免れません。
7Eを架装するため見た目はそれなりに新しく見えますが
老朽化が著しく、特に車内の汚損は著しいですが、
貴重な自社発注の大型車として活躍を続けて欲しいものです。