関東鉄道 1923TK/いすゞPJ-LV234Q1+J-BUS(ERGA)
つくばエクスプレス開業に伴う筑波山観光客急増により、
つくばセンターと筑波駅改め筑波山(現・筑波山口)を結ぶ
61系統(つくばセンター~筑波大学西~北条~筑波山)や
「岩瀬急行線」(つくばセンター~岩瀬中央公民館間)は
本数が少なかったため利用者が殺到、積み残しが慢性化し、
関鉄では急遽、これらに替えてツアーバスに近い扱いで
「筑波山シャトルバス」(つくばセンター~つつじヶ丘)を開業、
遅れて認可を受けて、これを一般路線バス化しました。
このような経緯もあって、当初「筑波山シャトルバス」には
利用者減に伴う減便により余剰となった高速車を中心に、
貸切車や路線車をかき集めて使用していましたが、
2006年、「筑波山シャトルバス」専用車及び予備車として
関鉄の大型車としては初のワンステップ車である
1921TK・1922TK・1923TK・1924YTの4両が投入されました。
うち、1921TK・1922TKはエンジンが高出力仕様である
6HK1-TCS(300ps)が選択されているのに対して、
うち、1923TK・1924YTはエンジンが標準出力仕様である
6HK1-TCC(260ps)が選択されているらしいのですが、
生憎、型式は共通である上、いずれもトランスミッションが
5速のマニュアルトランスミッションとされているために、
走行音が多少異なる以外には差異を見出せません。
いずれもエンジンも排出ガス規制強化に対応した、
直列6気筒ターボチャージャー付の小排気量のものです。
当初、1924YTは1921TK・1922TK・1923TKの3両と共に
つくば北車庫(当時)へと配置する予定だったようですが、
つくば中央営業所へと配置される予定であった9247TKが
つくば中央営業所へと未登録の状態で搬入された上で、
9247YTの社番が車体へと入れられたにもかかわらず、
つくば北車庫へと配置され、この4両と同時に営業に就き、
その代わりにつくば中央営業所へと配置されています。
この「筑波山シャトルバス」は観光客には非常に好評で
臨時便を増発してもなお積み残しが見られたことから、
大型車はホイールベース4.8mの短尺車を標準としていた
当時の関鉄の自社発注車としては極めて異例となる、
ホイールベース5.8mの長尺車が選択されています。
側面窓はノンステップ車・ワンステップ車に採用される
逆T字窓ではなく、引き違い式のメトロ窓とされている他、
出入口表示のピクトグラムが目立つのもポイントです。
クーラーについてもメーカーの仕様変更にあわせて、
サーモキング製に替えてデンソー製とされています。
車内は、基本的には同時期の関鉄の標準仕様ですが、
座席配置については着座定員をできるだけ稼ぐために
2人掛主体で1人掛は前輪上及び中扉戸袋部分のみで、
非常口側の座席には一部を除き補助椅子付きとなりました。
座席背面に取り付けられた降車ボタンも目新しいところで、
全体的に他社のワンロマ車を思わせる仕様だと言えます。
うち、1923TKについては予備車扱いとされていたこともあり、
当初は閑散期を中心に一般路線でも多く運用されており、
時として狭隘区間を含む筑波山口~岩瀬中央公民館間など、
取り回しに苦労しそうな路線にも平然と運用されていました。
また平日のみ「筑波山シャトルバス」と共通運用とされている
C10系統・筑波大学循環に顔を出すこともありました。
関東鉄道 1923YT/いすゞPJ-LV234Q1+J-BUS(ERGA)
2011年、9343YTに代わりキヤノン化成の特定車に転用され
9343YTと入れ替わりでつくば中央営業所に転出しましたが、
以降も休日を中心には一般路線で運用されることもある他、
2012年以降、毎週金曜日深夜にはその車内設備を活かして
守谷駅~つくばセンター間の深夜急行バスにも運用されています。