関東自動車 宇都宮200か・693


関東自動車 宇都宮200か・693/いすゞU-LV224K+西日本車体工業(B-Ⅰ型58MC)

大阪市交通局中古車で、大阪市時代の局番はおそらく
23-6786かと推測していますが確定的証拠はありません。
1993年に守口営業所へ投入された、いすゞ大型車である
23-6783~23-6790のうちの1両であることは明らかで、
この8両のうち7両が2005年に関東自動車へ移籍しており
この693も、2005年に駒生営業所へ投入されています。

大阪市では入札方法の変更以前、いすゞ車については
守口、鶴町、古市、木津の各営業所へと配置されており、
うち西工製車体の車は主に守口営業所へ配置されました。
型式通り足にはエアサスペンションが奢られていますが、
これは大阪市では、1991年式より採用されたものです。

外観では大阪市においては1990年式より採用されている
黒サッシで下段がヒドゥンピラーの逆T字窓の側面窓が
強く目を惹くところで、当地にあっては豪華に見えます。
細部では、運転席脇の側面窓の下部に固定窓があるのも
大阪市の西工製車体の車ではよく見ることができました。

後輪に設置されていたフェンダーカバーをはじめとして、
前面行先表示機脇に設置されたゾーンバス標識のステー、
国旗掲出用のステー、バスロケ用のアンテナは撤去され、
行先表示機も、移籍時にLED行先表示器へと換装されて、
大阪市独特の通常よりも少々幅が狭い前面行先表示機も
一般的なサイズとされている等、改造箇所は多くあります。

ただし側面行先表示機は大阪市交通局時代から変わらず、
側面窓下部にあり、当地では珍しい仕様となっています。
テールランプは大阪市では1992年より角型が採用され、
この車も、角型のレシップ製SFL-9000となっています。
丸型バックランプが補助ブレーキランプの上にあるのは
細かいながらも、この時期の大阪市らしいところですね。

クーラーはこの時期のいすゞ車では関鉄や京成も含めて
他事業者でも多く採用された、ゼクセルの室内集中型で、
屋根上には後に普及するビルトインクーラーと同じように
旧来あったエバポレーターの張り出しがないのが特徴です。
もっともエバポレーターを天井のダクトに納めようとした
ビルトインクーラーとは異なり、前方の天井の左右両側に
エバポレーターを収めた大きな張り出しが存在しています。
大阪市においては同時期のIKコーチ製車体の車についても
やはり同じくゼクセルの室内集中式が採用されていますが、
コンデンサが左側後輪前に設置されたことは相違点です。

守口営業所が担当していた33号系統(後の83号系統)が
森小路駅の制限高2.7mのアンダーバスを経由する関係で
同営業所の車については、車高を下げていたようですが、
このクーラーも車高の低下に貢献していたことでしょう。

車内は上半分が象牙色、下半分が黄土色木目調とされて
床は薄茶色石目調の床材張りと高級感漂う仕上がりです。
座席配置は大阪市標準の左側が肘掛がつく横向き座席、
右側が前向き1人掛けのハイバックシート主体のもので、
降車釦はトラ猫のイラスト入りのオージ製WS-210の他
肘掛部分や座席背面はオージ製WS-220となっています。

関東地方では稀有な58MCであり注目を浴びていますが
今後も一日でも長く活躍することを願うばかりです。

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