関東鉄道 1871YT


関東鉄道 1871YT/型式不明+クセニッツ(City-Ⅰ)

つくばエクスプレス開業を二年後に控えた2003年、
開業後のつくば駅周辺の自動車交通需要を抑制する
交通需要マネジメント実証実験として国交省の支援を受け
運行開始されたコミュニティーバス「つくつくバス」は、
当初、センター地区循環、筑波急行シャトル、
及び、松代近隣シャトル、春日近隣シャトルの
計四系統が設定されていました。

このうち、センター地区循環の専用車として、
開業時につくば中央営業所に投入されたのが、
VolkswagenのTransporter T4のシャシーに
ごく小型のバス車体を架装したクセニッツのうち、
最小モデルCity-Ⅰの1871YT、1872YTの2両で、
サイズは全長5.73m、全幅2.0mとミニマムです。

ベースとなったVolkswagenのTransporterは、
我が国においては俗に「ワーゲンバス」と呼ばれた
Typ 2の後継車種に当たる、商用向けの車です。
Typ 2の初代モデル(後にT1と呼ばれるようになる)は
我が国においては俗に「ビートル」と呼ばれた
Typ 1と同様、リアエンジン・後輪駆動(RR)とされており、
またエンジンも空冷のものとされていましたが、
T4は、現代的なフロントエンジン・前輪駆動(FF)とされ、
クセニッツは、このFF方式の強みを活かして、
ごく小型ながら後方まで低くフラットな床をもつバスを
作りあげることに成功しました。

フロント回りや駆動系はT4のものを流用しており、
前面下部の形状はT4そのままでVWマークもついています。
日本の型式指定を受けていない型式不明車ですが、
T4は、70というメーカー独自の型式を持っており、
かつ、日本で同型車がVanagonの呼称で販売され
その際にE-70ACUという型式を取得しています。

City-Ⅰの導入は、これが日本で初のケースである上、
燃料がガソリンとCNGのバイフューエルとされたのも
1871YT、1872YTの特徴となっています。
なお、関鉄はこの2両に先行し2002年に同じクセニッツの
City-Ⅲを、1838RG、1839RGの2両投入しています。

2005年に行われた「つくつくバス」の再編によって、
センター地区循環が筑波急行シャトルと共に廃止となると、
松代近隣シャトル、春日近隣シャトルへと転用され、
その際、それまではフロントグラス内のプレートによる
行先表示に替えてLED行先表示機が取り付けられました。

「つくつくバス」は、つくば市福祉バス「のりのりバス」と共に
2006年、新たなコミュニティーバス「つくバス」に再編され、
その際、外装が橙色系のものに改められた上で、
新設された「センター循環」専用車とされましたが、
「つくつくバス」時代より、この2両は故障が頻発していた様で、
「つくバス」としてはあまり活躍できぬまま、
2007年に「センター循環」が廃止された際、廃車となりました。

【諸元】
登録番号:土浦200あ・327
年式:2003
型式:不明
機関:AVT(2461cc 115ps/4500rpm)
ホイールベース:3.82m

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関東鉄道 1871YT への4件のフィードバック

  1. 9060MT のコメント:

    最初に日本に入った輸入小型ノンステのクセニッツはオーストリアから来たんですね!価格は小型車ながら2000万円近く高価な金額なのに寿命が短すぎますね! 当時、つくばセンター付近で目立ってましたね! 現在はポンチョが活躍してますが・・・

  2. 瓦版 のコメント:

    こんばんは。

    クセニッツは壊れやすいのに修繕費が高いという二重の問題ですぐに姿を消してしまいましたね。
    現在現役で動いてるところはあるのでしょうか?(浦安市の公用車で見たくらいです)

  3. 大曽根線 のコメント:

    >>9060MT様
    いつもコメントありがとうございます。
    バス用ではないFFのシャシーを使用したことは、
    いくら小型のバスといっても問題があったようですね。
    つくつくバス時代は良く見かけましたが、
    つくバス時代になってからは、短い活躍でしたね。

  4. 大曽根線 のコメント:

    >>瓦版様
    いつもコメントありがとうございます。
    先行して導入した龍ケ崎市の方では、
    稼働率約5割、修理費年間約1900万円と、
    保守にかなり手を焼いていたようですね。
    現役のクセニッツというと、会津乗合にいた
    関東バス中古車も引退したらしいので、
    今や皆無に近いのではないでしょうか。
    射水市や長野市は現役なのでしょうかね。

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