関東鉄道 9367MK

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関東鉄道 9367MK/三菱KC-MP747K+三菱バス製造(Aero Star)

尼崎市交通局中古車で、尼市交時代の局番は10-182です。
2013年に投入された尼崎市中古車、計5両のうち4両が
いずれも土浦営業所に配置されることとなりましたが
うち9367MKのみは水海道営業所に配置されています。

尼市交らしい特徴として、クーラーがデンソー製とされ、
しかも前方に搭載されていることが目を惹きますが、
それ以上に注目されるのが、側面窓の仕上がりです。
尼市交時代は銀サッシの逆T字窓だったにも拘らず
サッシが塗装され黒サッシの逆T字窓になっています。
恐らく、9341TRと異なり、低床色の自社発注車に準じて、
側面窓周囲を黒色に塗装するに当たり一体感を出すため、
このような仕上がりとされたものだと思われますが、
関鉄自工ならではのこだわりを感じるところですね。
なお、9364TCも同様の仕上がりとされています。
関鉄ではこのようなケースは初めてだと思われますが、
県内では茨城オート112Hが先例として挙げられます。

車内は概ね、尼市交時代のままとされており、
側面窓も車内側は銀サッシのままとされています。
ロールアップカーテンが取り付けられているのは、
関西では一般的ですが、関東では目立ちますね。
また、9367MKのみ乗降口側にある優先席部分に
尼市交のオリジナルマスコットキャラクターである、
「あまっこ」をあしらった大判の優先席ステッカーが
そのまま残されており、注目されるところです。

また、尼市交では車内に車椅子二台を固定できるよう、
独自の固定方法が採用されているのも特徴です。
まず、一台目は、中扉の向かい側に設置されている
車椅子固定スペースを使用して固定されます。
この部分は仕切りで囲まれ、座席はありませんが
側面窓下部の壁面にクッション材があります。
この部分への車椅子の固定は面積の兼ね合いで、
進行方向に対し直角に固定される設計とされており、
床面には車止めとなる凹みも設置されています。
また、二台目は、非常口側前輪タイヤハウス直後の
横向き座席を跳ね上げて、車椅子固定スペースを作り、
進行方向に対し平行に固定される設計となっています。
伊丹市交通局でも同様の方法がとられていますね。

他事業者では、この独自の方法をとる尼市交中古車の
車椅子固定スペースに座席を追設する場合もありますが、
関鉄ではそのままとされており、嬉しいところです。
座席表皮は痛みが少ないからか、尼市交時代のまま、
一般席が橙色地に黒色と茶色の縞模様が入るもの、
優先席が緑色地に黒色と濃緑色の縞模様入るもので、
特に一般席のそれは車外からでも目立つところです。
また、内張りは象牙色一色のものとされており、
床は後半部通路のみ突起付きの黄色の床材張りで、
他は突起付きの薄緑色の床材張りとされています。

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【諸元】
登録番号:つくば200か・462
年式:1998
型式:KC-MP747K
機関:6D24(11945cc 240ps/2200rpm)
ホイールベース:4.8m


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