関東鉄道 1639HS/U-LR332J+富士重工業(6E)
自社発注車で、1993年に鹿島営業所に投入されました。
この1993年には日観・日水・竜観含む関鉄グループ全体で
自社発注車は貸切車15両・高速車3両、投入されていますが、
自社発注車の路線車はこの1639KS、1両のみであり、
そういった点では、極めて希少な存在と言えます。
この車はその後、短期間、水戸営業所に在籍したのちに、
潮来営業所波崎車庫へと転入し、現在に至ります。
加えて関鉄では、この次のロットである1994年式から、
いくつか細かな仕様の変更を実施しているため、
この車を最後に見られなくなった仕様もいくつかあります。
まずオージ製の穴検知式方向幕巻取機EM75操作盤が
送り・戻し釦のみのものからデジタル式のものとなり、
場所も運転席上方からメータークラスタ脇に移りました。
また座席表皮がこれまで長く標準とされた緑色一色から、
一般席緑色・優先席赤色の組み合わせへと変更され、
優先席部分の座席は一般席と異なり、通路に向けて
やや斜めに取り付けられた、オフセット配置となりました。
このうち、座席表皮については車体更生を受けた際に、
全席とも、緑色からノンステップ柄に変更されていますが、
方向幕巻取機の操作盤についてはそのままとされています。
更に関鉄は1992年式より角型テールランプを標準仕様とし、
6Eについてはゴールドキング製TSLを採用していますが、
この車はどういう訳かバス協テールに先祖返りしています。
続く1994年式は、再びTSLに戻されており、謎は深まります。
このように、非常に希少な存在である1639HSですが、
現在は特定車扱いとされ、一般路線に入ることはなく、
最近では、暖房・車外スピーカー・運賃表示機も撤去され、
動くこと自体、殆どないであろう状態となっています。
ナンバーが付いていること自体、奇跡的な状況ですが、
異端車として一日も長くその姿を留めていて欲しいものです。
【諸元】
登録番号:水戸22あ1646
年式:1993
型式:U-LR332J
機関:6HE1(7127cc 195PS/2900rpm)
ホイールベース:4.3m
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こんばんは。
平成5年式は何故かこの1台のみ、移籍車でも路線車は数が少ないですね(特定車は何故か多いですが)。確か、京急・国際中古のキュービックと、京成中古の7E3台(P006・G012・G013)ぐらいだったと思います。何で5年式はあまり好まれないか不思議です。
それ故、ついこの間まで4年式の廃車が続いていましたが、今年に入って6年式の廃車が一気に本格化してしまいましたね。
自分もバス協テールのこの車を見たときは驚きを隠せませんでした。新製時はTSLだったのが、更正時に発生品(1574MTあたり!?)のものを付けた、とかなんでしょうか・・・?
個人的には6Eはバス協テールの方が好きなので、ある意味では最後まで残って良かったですが・・・、これは謎ですね。
やはり完全に使われていないようで、車体にもサビが浮いていますね。こうなると何でまだ在籍しているのかも謎ですが、予備車とか、そういう位置づけもあるのでしょうかね?
一方、1年先輩の佐原の1608は車検を通したようです。
>>ゴリケル様
いつもコメントありがとうございます。
1993年式は自社発注車全体で見ても少ないですね。
恐らく、代替すべき車両がいなかったのが理由でしょう。
中古車ついても、1993年式が転入してきた2006年は、
年末まで、殆ど中古車が投入されませんでしたが、
この時期は状態の悪い車の淘汰が完了した頃でした。
テールランプですが、私が調べた範囲では、
TSLではなく、元々バス協テールだったようです。
TSLの場合は取っ手の位置が異なりますから、
後天的改造なら取っ手の位置が異なる筈ですが、
取っ手を移動した形跡もないので、間違いないでしょうね。
現在1639HSは特定車扱いとされているようですので、
貸切(特定)免許の絡みで留置してあるのでしょうかね。
1608SWも暫く動きはなさそうですね。