関東鉄道 1771TC/日野KC-RJ1JJAA+日野車体(Rainbow)
1998年に土浦営業所に投入された1770TC・1771TCは
LED行先表示機と液晶行先表示機を試験的に搭載した
試作車的な位置づけで登場しました。
そのこともあってか、それぞれ同年式の同型式車とは、
投入時期がずれ、1ロット1両での投入となっています。
従来、関鉄の自社発注車は側面行先表示機が
標準サイズの方向幕とされてきましたが、この2両は
大型サイズの表示機とされているために、
側面行先表示機周囲の窓構造も変更されています。
それ以外の仕様は、同時期の関鉄では一般的なもので、
中扉以降の三方シートや、木床も相変わらずです。
側面行先表示機が大型のものとなったことで、
その部分の座席(三方シート)に座った場合に、
頭上に行先表示機を収容する凸部があるために、
凸部には注意書きと緩衝材が配されていて、
頭をぶつけて怪我をしないように対策されています。
1999年、2000年は路線車の新製投入はなく、
2001年にようやく路線車の投入が再開されますが、
行先表示機は、一般的な方向幕に戻されており
側面行先表示機も標準サイズのままとされました。
そして、2002年に投入された1840TC以降、
LED行先表示機が高速車も含めて標準化され、
側面行先表示機も大型サイズに移行されました。
従って、液晶行先表示機を搭載した車は後にも先にも、
関鉄では1771TCのみとされています。
この時期、液晶行先表示機を導入した事業者は
他にも幾つかあり、同じく土浦を営業エリアとする、
ジェイアールバス関東土浦支店でも、1996年に、
M527-96303・M527-96304・M527-96305が
液晶行先表示機を採用しています。
その中で特筆されるべきは、1771TCの場合、
フルドットタイプの側面行先表示機だったことで、
これは1770TCが現在、関鉄で標準とされている、
短冊縦5列タイプの側面行先表示機を、
登場時より搭載していたことととは対照的です。
また、液晶特有のドット数の細かさを活かして、
大きな文字のみ、字体が方向幕での表示に近い
丸ゴシックとされていたことも大きな特徴で、
更に表示にはローマ字も入れられていました。
しかし、液晶行先表示機は表示のコントラストが弱く、
昼夜を問わず、視認性にかなり問題があったために、
殆ど普及を見せないまま終わりました。
特に夜間は液晶がバックライトに照らされるために、
遠目では一面が黄緑色に光って見えるのみで、
かなり見えにくかったように記憶しています。
そうした事情もあってか、LED行先表示機が普及した
2004年にはLED行先表示機に交換されており、
側面行先表示機も短冊縦5列タイプとなりました。
これによって視認性はかなり改善されました。
【諸元】
登録番号:土浦22か2035
年式:1996
型式:KC-RJ1JJAA
機関:J08C(7961cc 215ps/2900rpm)
ホイールベース:4.49m
こんばんわ この車輌、今から10年前ぐらいにビークラブ(つくば市松代)のラッピングが片面に施されてましたね!9310TCのとデザインは異なります。あれからずっとラッピングされない状態(標準色)ですがずっとこのままでいくのですかね? 非公式側は後面とともに新製時から広告枠が施されてますが・・・
また、当時、方向表示が液晶のときは特に後面の表示が見づらいなと思う時がありましたね!
>>9060MT様
いつもコメントありがとうございます。
ビークラブのラッピング、懐かしいですね。
上半分が白色、下半分が桃色のもので、
現行デザインに比べるとちょっと地味でしたね。
まだ液晶行先表示機だった頃だと記憶していますから
恐らく2003年頃だと思います。