関東鉄道 9156YT/三菱KC-MM219J+三菱ふそうバス製造(Aerostar M)
茨城観光自動車の中古車で、
元はメーカーのサンプルカーだった車です。
茨観では1994年から1997年にかけて、
三菱のサンプルカーを継続して投入しており、
茨観廃業時に、それらは経年が浅いこともあって、
9154RG・9155YT・9156YT・9157TC・9158TCとして、
全て関鉄へと引き継がれました。
本型式は比較的珍しい9m級大型車である上、
1996年にAero Starシリーズがフルモデルチェンジされた為、
1995年から1996年まで僅かに製造されたに過ぎず、
結果的に、全国的にも希少な存在となっています。
関鉄にあっても一型式一両の希少車種であるばかりか、
Aero Star Kの場合、元来、呉羽自工製車体のユーザーだった
関鉄には多数の納入実績があねものの、
Aero Star Mの場合、元々は三菱自工製のみだったことに加え
その後、呉羽自工及びその後進である三菱バス製造において、
Aero Star Mの生産が行われていた時期には
関鉄が三菱製大型車の投入を行わなかったために、
Aero Star Mの自社発注車は関鉄には存在せず、
更に関鉄入りした三菱製大型車の中古車も、その大半が、
富士重工車体を架装する京成中古車であるために、
Aero Star Mはこの9156YTの他は、前述の9155YTと、
米沢市中古でトップドア仕様であった9148TCのみで、
関鉄カラーを纏うAero Star M自体が希少な存在です。
扉配置は関鉄標準と同じく中引扉とされていますが、
側面方向幕は前扉直後に設置されている上に、
大型サイズの方向幕取付枠だったにも拘わらず、
茨観移籍時に標準サイズの方向幕を取りつけて、
関鉄移籍後もそのまま使用しているために、
違和感のある外観となっています。
これらの仕様は9155YTと共通となっていますが、
唯一異なるのはテールランプが角型とされたことです。
また後面方向幕は使用されないままになっていましたが、
最近になって、漸く使用されるようになったようです。
現在ではハイマウントストップランプも追設されていますが、
これも大型車では珍しい改造と言えます。
加えて、9155YTは前面方向幕・後面方向幕周囲の窪みが
車体更生時に黒色に塗装され、印象を新たにしましたが、
引き続き、9156YTはこの部分が白色のままですので、
案外、遠目からでも見分けることが出来ます。
車内は上半分白色・下半分灰色の内張りに、
青色一色の座席表皮の前向きの座席が並び、
床は木床で、全体的に質素な印象です。
このように非常に特殊な車ながらも、9155YT共々、
特に限定運用されることなく広く活躍しているのは
関鉄らしいところで、追いかけるのには苦労します。
【諸元】
登録番号:土浦22あ1669
年式:1995
型式:KC-MM219J
機関:6D17-I(220ps/2900rpm 8201cc)
ホイールベース:4.39m