関東鉄道 1573MT


関東鉄道 1573MT/いすゞU-LR332J+富士重工業(6E)

自社発注車だけで51両が投入されており、
未だ関鉄の主力の座にあるU-LR332Jは、
アイケイコーチ製車体を架装する車と、
富士重工業製車体を架装する車とがありますが、
いずれも何処の営業所でも見られる存在で、
当時、子会社であった日観でも同型式を
本体と同一仕様で投入している程の普及ぶりです。
中型車の一般路線車の配置がない取手営業所にも
つくば中央営業所から1583YTが、
水海道営業所から1604MKが、
それぞれ転入し活躍していた時期もありますので、
結果として全営業所に足跡を残しています。

しかし、新製配置には案外偏りがあり、例えば、
土浦営業所の場合は、新製配置は無く、
竜ヶ崎営業所から移籍してきた1670TCが
9310TCに代替されるまで3年程在籍したのみ、
鉾田営業所の場合も、やはり新製配置は無く、
関鉄メロンバスへの分社化時の路線移管に伴い、
鹿島営業所から1575KS・1612KSが転入、
その後、石岡営業所から1575G・1578Gも転入、
といった具合で配置には案外偏りがあるのが、
興味深いポイントとなっています。
水戸営業所の場合も新製配置されたのは、
1574MTの1両のみでした。

このような配置の偏りは、この3営業所には
同時期にはU-LR332J投入の代わりに
他メーカーの中型車が新製配置されたのが
関係していると思われます。
同時期の他メーカーの中型車の投入状況を見ると
U-MK117Jは鉾田5両・水戸3両・土浦2両・石岡1両、
U-MK218Jは鉾田1両・つくば中央1両、
U-RM210GSNは水戸11両のみ、
U-RJ3HJAAは土浦8両・柿岡3両・波崎1両と、
この3営業所が目立つ結果となっています。

このような事情があるため、1574MTは、
同時期、水戸営業所に投入されたU-RM210GSNが
同じ富士重工業製車体でも8E架装とされた関係で、
関鉄ではありふれた存在の6Eであるにもかかわらず、
水戸営業所では唯一の6Eという時期が長く、
非常に目立つ存在となっていました。

その後、1574MTは諸事情により廃車となった際に、
その代わりに潮来営業所から1573ITが転入、
それに続き、波崎営業所から1611HSも転入、
更には、鹿島営業所から1639KSも転入してきた為、
一時期、水戸営業所の6Eは4両体制となっていました。
しかし、1611HSも1639KSも水戸での活躍は短期間で、
それぞれの営業所へと戻されてしまいました。
結果として、水戸営業所では6Eは1573MTだけ、
という虎の子状態にまたしても陥ってしまい、
2010年に廃車となるまで、1573MTは目立っていました。

同型式は仕様面でもなかなか興味深く、
1991年式まではバス協テールなのに対し、
1992年式以降は角型テールへと変更され、
投入時期によってテールランプが異なるのは
他メーカー車にも共通していることですが、
Journey Kの場合は中扉前が四席なのに対し、
6Eの場合は中扉前が三席とされている上に、
優先席の位置も双方で異なるなど、
座席配置の面でも差異がみられるのもポイントです。

【諸元】
登録番号:水戸22あ1486
年式:1991
型式:U-LR332J
機関:6HE1(7127cc 195PS/2900rpm)
ホイールベース:4.3m

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関東鉄道 1573MT への2件のフィードバック

  1. 9060MT のコメント:

    管理人様こんばんわ この車輌は前に何度か乗車しましたが水戸営業所のなかで唯一の6Eとして目立ってましたね! 車内の座席の柄は平成14年頃に変えられたと思います!写真の通り最近は吉沢車庫から市役所を経由しないで水戸駅発ときわ台団地行きとなってしまったのですかね!

  2. 大曽根線 のコメント:

    >>9060MT様
    いつもコメントありがとうございます。
    ときわ台団地行きですが、現在のダイヤですと、殆どの便が、
    けやき台団地―酒門―竹隈町―ときわ台団地(旧54)か、
    東部工業団地―酒門―竹隈町―ときわ台団地(旧34)で、
    水戸駅発着は千波新道経由(旧41B)か南口発着(旧4S)が、
    免許維持的に、ごく僅かに設定されている程度ですので、
    水戸駅発着の便が主力となったという訳ではないようです。
    ここ10年程で新調された幕やLEDの場合の表示は、
    水戸駅→大工町→ときわ台団地で統一されていますので、
    その辺りと取り扱いを共通化するための措置でしょうか。

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