関東鉄道 2171MR


関東鉄道 2171MR/いすゞ2SG-HL2ANBD+J-BUS(ERGA)

2018年に投入された2170MT・2171MR・2172MR・
2173MR・2174YT・2175TC・2176RGの計7両は、
フルモデルチェンジ後の新型エルガハイブリッドで
特に2017年に取手営業所と水海道営業所を統合して
発足した守谷営業所には、うち3両が配置されました。
先行して投入された東京ベイシティ交通1017と共に
販売が正式に発表される前の投入で注目されました。
特にホイールベース5.3m(N尺)の本型式については、
このロットが市販第一号となり記念すべき存在です。

フルモデルチェンジに伴い先行して販売されていた
日野のブルーリボンハイブリッドの統合車種となり
いすゞが独自に開発した車種ではなくなりました。
ブルーリボンハイブリッド自体は3年前の2015年に
フルモデルチェンジがなされ、以前のモデルである
ブルーリボンシティハイブリットから進化しました。

特にそのパワートレーンは従来から大きく変更され
モーターはこれまでの41kwの交流誘導電動機から、
90kwの交流永久磁石同期電動機へと高出力化され
一方でエンジンはこれまでの直列6気筒で7.7Lから
直列4気筒の5.1Lへ小型化がなされたことをはじめ、
従来は直結されていたモーターとエンジンとの間に
クラッチを設けモーターの動力のみで走行可能とし、
更にモーターとシャフトの間のトランスミッションが
これまでの5速のマニュアルトランスミッションから
6速の機械式オートマチックトランスミッションへと
変更されて、従来よりも低燃費化が図られています。

今回の機械式オートマチックトランスミッションは、
デュトロ用のプロシフトVをベースとしたものであり
セレクターはプロシフトVとほぼ同じ形となっていて
フォワード用のスムーサーFxをそのベースとしている
非ハイブリッド仕様のものとは別物となっています。

バッテリーはブルーリボンハイブリッドを踏襲して
ニッケル水素バッテリーを屋根に搭載していますが、
インバーターが屋根上から右側後輪後方に移設され、
屋根上のバッテリーユニットカバーが小さくなって
全高は0.18m低い3.105mへと、低下が図られました。
屋根上のバッテリーユニット後方にはデンソー製の
電動式のパッケージクーラーが搭載されています。

車体の意匠自体は2015年にフルモデルチェンジ後の
非ハイブリッド仕様のエルガおよびブルーリボンと
共通ですがこのようにパワートレーンは別物のため、
フロントオーバーハングが0.005m長い2.260mとされ
リアオーバーハングが0.125m長い2.865mとなるなど
同じホイールベースを選択しても寸法は異なります。

その他、外観では平成28年排出ガス規制に伴って
実施されたマイナーチェンジによる仕様変更により
ヘッドライトがロービームのみLEDに変わったほか、
関鉄の2018年式の自社発注車からの仕様変更として、
前面行先表示器脇の車椅子マークがステッカーから
白色LEDの電照式へと変更されたことが目立ちます。
塗装やハイブリッドであることを示す各所のロゴは
2101MTを踏襲していますが位置の変更があります。

車内は基本的に近年の関鉄の標準仕様を踏襲して、
内張りは他車と同様に灰色ですが、床については
2018年式のうちこの7両だけの特別な仕様として
濃灰色の木目調の平滑な床材張りとなっています。
座席は関鉄の2018年式の自社発注車からの変更で、
これまでに見られた金属製シートバックのものから
メーカー標準の樹脂製シートバックへと変えられて
座席表皮も優先席が青色地に紺色のハートマークと
黄色のピクトグラムが配されたものへと変更され、
他も青色地に紺色のハートマークが配されたものへ
変更されて従来より汚れが目立ちにくくなりました。

座席配置はメーカーが設定するラッシュ型ですが、
引き続き前輪タイヤハウス上の座席は省略されて
左側前半は前向き1人掛3列のみで、中扉を挟んで、
左側後半は前向き1人掛2列・前向き2人掛1列とされ
右側は前向き1人掛7列・前向き2人掛1列とされて
このうち1〜4列目が折り畳み座席とされています。
握り棒は座席背面のものが黒色である他は橙色で、
降車釦は、これまでのオージ製WS-260に代わって
レシップ製KSP-400が採用されたことも注目です。

この7両の投入によって、関鉄のハイブリッド車は
総勢19両に達し、新たな時代の到来を実感できます。

【諸元】
登録番号:つくば200か・847
年式:2018
型式:2SG-HL2ANBD
機関:A05C-K1(5123cc 260ps/2300rpm)
ホイールベース:5.3m

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