関東鉄道 2111TC

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関東鉄道 2111TC/いすゞQKG-LV290N1+J-BUS(ERGA)

2016年に取手営業所と土浦営業所投入された
2108TR及び2109TC・2110TC・2111TCの4両は、
フルモデルチェンジ後の新型エルガとなりました。
新型エルガの投入は関鉄が県内初となります。
新型ではワンステップ車がラインナップから外れ
ノンステップ車のみに集約されたこともあってか、
今回の4両は全てノンステップ車となっています。

外観では4灯から2灯となったヘッドライトをはじめ
カバーの形状を改めたクーラーが目を惹きますが、
仕様は近年の関鉄の標準的なものとなっており、
濃色ガラスやLEDデイライトも引き継がれました。
但し、側面行先表示機は戸袋窓の内部ではなく、
戸袋窓の前方へと移動しているのが目立ちます。

また標準仕様ノンステップバス認定制度における
2015年以降標準仕様への改正に対応したため、
ステッカーが緑色から桃色のものに変わった他、
前面行先表示機の左側ににベビーカーマークが
貼りつけられたのも大きな特徴と言えるでしょう。

ホイールベースは標準尺から短尺に変わりました。
先代の短尺(L尺)車はホイールベース4.8mですが、
新型の短尺(N尺)車はホイールベース5.3mとなり
従来より低床部が広く確保されるようになりました。
一方フロントオーバーハングは前扉を折戸に換えて
先代の2.4mから、ワンステップ車と同じ2.255mに、
またリアオーバーハングはエンジンを小型化して、
先代の3.09mから2.74mにそれぞれ詰めたことで、
全長は僅か0.005m増の10.43mに抑えられました。
エンジンは直列6気筒7.79lから直列4気筒5.193lへ
小排気量化されており走行音も大きく変化しました。

一方、定員は燃料タンクをこれまでの中扉前方から、
乗降口側前輪タイヤハウス上に移したことによって、
優先席を横向きから前向きに変え立席定員を増やし
メーカーが設定している都市型の座席配置の場合で、
先代の短尺の定員75名に対し定員79名を確保して、
先代の標準尺(N尺)と比べても1名増となりました。
これに伴い給油口が従来の腰板部から側面窓部へ
移されているのもまた、外観上の変更点といえます。

トランスミッションはフォワード用のスムーサーFxを
バス用にセッティングしなおした機械式AT(AMT)と、
アリソン製のトルクコンバーター式ATが用意されて
MT仕様はラインナップから外れてしまったことから、
関鉄ではMTに代え機械式ATが選択されました。

エルガではスムーサーの呼称は使用されませんが
セレクターはスムーサーFxとほぼ同じ形とされた上、
変速機もギア比も含めてスムーサーFxと同じ物で
先代エルガのうちハイブリッド仕様が採用している
イートン製の機械式ATと違い、NAVi5の伝統を継ぐ
いすゞらしいトランスミッションと呼ぶことができます。
機械式ATの場合、トルクコンバーター式ATと比して、
燃費面でもイニシャルコスト面でも有利となります。

車内は標準仕様ノンステップバス認定制度における
2015年以降標準仕様への改正に対応したために
車椅子の固定方法が巻取ベルトへと変更された他、
低床部の握り棒の増加、反転式スロープの採用等
見直しが図られた他は関鉄の標準的な仕様です。

座席配置も従来通りラッシュ型とされていますが、
ホイールベースや燃料タンク位置等の変更に伴い
前輪タイヤハウス上の座席や横向き座席が消えて
乗降口側前半は前向き1人掛のみ3列へと変わり、
後半は前向き1人掛2列・前向き2人掛1列と1列減、
非常口側は前向き1人掛7列・前向き2人掛1列で、
メーカー標準仕様とは異なり非常口側についても、
前輪タイヤハウス上の座席が省略されています。
また5列目の座席は段差部分に設置されており、
非常口側の1〜4列目は折畳座席とされています。

座席は樹脂製シートバックのメーカー標準品に代え、
従来同様の金属製シートバックのものとされました。
この辺りは事業者間の差異が顕在化している様です。

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【諸元】
登録番号:土浦200か1475
年式:2016
型式:QKG-LV290N1
機関:4HK-TCS(5193cc 250ps/2400rpm)
ホイールベース:5.3m

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関東鉄道 2111TC への2件のフィードバック

  1. 9060MT のコメント:

    こんばんわ‼(^-^)

    新型エルガ 私も納車されてから1週間後に乗車(2110TC)してきましたが、新鮮ですね‼
    なんといっても今までのエルガとは違って、エンジン音をはじめ、ヘッドライトリヤオーバーハングなど様変わりしましたね‼
    しかもグッドデザイン賞も受賞したことも驚きです‼
    気付いた点は車内のスピーカーも従来ものと変わってましたね
    探すのに迷っちゃいましたが・・・(笑)

    またこれらの2109~2111TCの車番が
    土浦200か1473、1474、1475ということで
    平成4年式の日野のRJ 土浦22あ1473 1595TC→KS、土浦22あ1474 1596TC、土浦22あ1475 1597の自社発注を思い出しちゃいます‼(笑)

  2. 大曽根線 のコメント:

    >>9060MT様
    いつもコメントありがとうございます。
    新型エルガがまとめて3両配置されるとは驚きです。
    走行音はエルガミオに近い感じになっていますね。
    スピーカーの変更には気づきませんでした。
    ご教示頂きありがとうございます。

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