関東鉄道 1910TC

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関東鉄道 1910TC/三菱PA-ME17DF+三菱ふそうバス製造(AeroMidiME)

つくば市コミュニティバス「つくバス」のうち、
13系統設定されていた「地域循環」の専用車として、
2006年、つくば中央営業所に投入された車です。
2011年に実施された、「つくバス」の再編に伴って、
合計19両が存在した「地域循環」専用車のうち、
1910YT・1911TC・1912TC1913TCの4両は、
同じく「つくバス」のうち、同時期に一般路線化された
「学園南循環」専用車の1944YT・1945YTと共に、
順次、一般色へと変更の上、様々に転用されました。

うち1910YTは、同年10月28日に試験運行を開始した、
土浦市のコミュニティバス「新治バス」に転用されました。
土浦市では、既にNPO法人「まちづくり活性化土浦」が
コミュニティバス「キララちゃん」を中心部で走らせる他、
乗合タクシー「のりあいタクシー土浦」もありますが、
土浦市地域公共交通活性化協議会では、
交通が不便な地域の移動手段の確保などを目的に、
自治体や地域住民が関与して運行される、
コミュニティ交通(小型バス)の試験運行地区を、
・運営委員会を組織できること
・運行の必要性が明確であること
・既存路線バスへの影響が小さいこと
・利用促進のための活動を継続的に行えること
・運行経費の3割以上を運賃収入と地区の負担で確保できること
・応募する地区の自治会と隣接する自治会の同意を得ること
・アンケートやヒアリング調査に協力できること
を条件に市内自治会・商工会等に対し募集しました。

それに応えたのが、2006年に土浦市と合併した、
旧新治村の村域を含んでいる、新治地区です。
同地区は、国道125号線(ワンツーファイブ)沿いには
路線バスが頻発しており、比較的便利であるものの、
JRバス関東山ノ荘線が2008年に完全に廃止される等、
それ以外には公共交通は利用しにくい環境にあり、
新治村時代には福祉バスが運行されたこともあります。
かつて土浦営業所には、この福祉バス専用車として、
1661TC、1両が用意されていましたが、
この1910TCは、いわばその後釜というべき存在です。

このような形で運行が開始された「新治バス」は、
土浦駅に直通する朝夕ルートが2系統各1往復と、
新治地区中心部にあるショッピングセンター、
「さん・あぴお」を起点に地区内を巡る昼ルートが
斗利出(田土部・高岡)循環、山ノ荘(小野・田宮)循環、
山ノ荘(本郷・永井)循環、藤沢(大畑・坂田)循環、
4系統各3便があり、この新治バス運行開始に備え、
路線バスもさん・あぴおへの乗り入れを開始しています。

しかし、開業から4ヶ月が経過した2012年2月末時点で、
1便当りの平均乗車人数は0.68人と利用者は少なく、
特に1便当りの平均乗車人数0.83人の昼ルートに対し、
1便当りの平均乗車人数0.43人の朝夕ルートを減便、
地域住民に対するアンケートの結果も芳しくなく、
試験運行期間終了後はあっさり廃止となってしまいました。

「新治バス」運行終了後も1910TCは土浦営業所に残存、
以降は協同病院~土浦駅~国立病院線で活躍しています。

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【諸元】
登録番号:土浦200か・855
型式:PA-ME17DF
年式:2006
機関:4M50T5(4899cc 180ps/2700rpm)
ホイールベース:3.56m

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