関東鉄道 1918TK/いすゞPA-LR234J1+J-BUS(ERGAmio)
2006年、つくば市のコミュニティーバス「つくバス」の、
運行開始に併せて、そのうちの「北部シャトル」の
専用車として、つくば北営業所へと投入された
1918TK・1919TK・1920TKの3両のうちの1両です。
この「つくバス」は2011年4月に再編を予定していて、
それを見据えてこの「北部シャトル」においては、
2010年12月より、自転車積載バス運行の実証実験を
開始し、この3両には積載ラックが取り付けられました。
既に路線バスに自転車を積載する事例として、
1996年、車内に積載スペースを設けた車を投入した
日本中央バスの例が有名である他にも、
2008年、車体後面に自転車積載ラックを設置した
ニセコ町コミュニティーバス「ふれあいバス」の例、
2009年、車体前面に自転車積載ラックを設置した
神奈川中央交通の例が我が国では既にあり、
「北部シャトル」の場合は、4例目とされています。
「北部シャトル」の場合は、神奈中の方式を踏襲し、
車体前面へとラックを設置しています。
「北部シャトル」の場合、自転車の積載作業は
利用者が自ら行うこととなっていますが、
車体前面にラックを設置することによって、運転士さんが
その作業状況を車内から確認できる利点がある他、
積載した自転車の盗難防止が図れる利点がありますが、
ナンバープレートの移設やヘッドライト照度の試験等、
一方で様々な必要条件をクリアして実現しています。
このラックはアメリカ製ですが、神奈中のものと異なり、
積載可能台数は1台のみとなっています。
これは、道路交通法により、このような車体の延長は
全長の10分の1までと規定していることに拠るようです。
この運行開始を控えて、2010年10月にはまず、
1920TKが前面ナンバープレートの移設を受け、続いて、
1919TKが前面ナンバープレートの移設を受けましたが、
いずれもラックは取り付けないままで運用されていました。
1918TKは11月までは原型のまま運用されていましたが
12月に前面ナンバープレート移設とラック取付を同時に行い
各種試験や教習、広報用写真撮影に供されました。
追って1919TK・1920TKにもラック取付が実施されています。
つくば市は温暖化防止策として公共交通機関だけでなく、
自転車の利用促進にも努めており、今回の実証実験は
その一環であるといえますが、特に「北部シャトル」は、
終点の筑波山口で、筑波鉄道廃線敷を整備した、
茨城県道501号桜川土浦自転車道線(愛称:つくばりんりんロード)と
接続していて、筑波山口バスターミナルに隣接する、
筑波駅跡地が休憩所として整備されている他、
つくば北営業所がつくば市レンタサイクルの窓口となる等、
筑波山周辺のサイクリングの拠点となっていることも、
「北部シャトル」で実証実験を行う背景となったのでしょうね。
自転車積載ラックは閑散時の便のみ利用可能で、
実証期間中は、利用料は無料(運賃のみ)となっていますが、
今後、他の路線へと波及するのか、楽しみですね。
【諸元】
登録番号:土浦200か・865
型式:PA-LR234J1
年式:2006
機関:6HK1-TCN(7790cc 240PS/2700rpm)
ホイールベース:4.4m
本年もよろしくお願い申し上げます。
年末の最終土曜日につくばセンターで自転車積載状態の北部シャトル車を偶然見かけました。
営業運転ではなかったようで、同乗のスタッフらしき方がセンター到着後、自転車を下ろして、乗り場付近から再度固定して、出発していきました。
積み込み固定などはワンタッチといった感じで、スムーズだったので自分も試してみたくなりました。
>>ひつじ様
いつもコメントありがとうございます。
今年も拙ブログを宜しくお願い致します。
運行開始を控えた12月中旬頃は、
1918TKが「教習中」の表示を出して、
東大通りを走る姿を良く見かけましたが、
うち何度かは自転車を積載した状態で
教習を実施していたようでした。
ひつじ様がセンターで目撃されたのも、
その教習の一環だったのかもしれませんね。
自転車の着脱方法はつくば市のホームページに
説明がありますが、それを見る限りでは、
複雑な構造とは裏腹に簡単に使えそうですね!
筑波山口はりんりんロードの中間地点ですから、
暖かくなったら、私もこのバスに自転車を積んで、
りんりんロードをサイクリングしてみようかな、
なんて考えています。