関東鉄道 1885YT


関東鉄道 1885YT/三菱PA-MK27FH+三菱ふそうバス製造(AeroMidi)

コミュニティーバス用や福祉バス用などを除く、
一般路線車としての三菱中型車の新車投入は、
1994年式の1659YT・1660HK以来途絶え、
2005年式の1885YT投入まで11年もの空白がありました。
まあ厳密にいえば、この間に中型ロング車の
試験的意味合いを持つ、1869MTの投入がありますが。
ただ、結果的に本型式は、その後、この車と同じく
2005年式の1893YT・1897MKが増備されたのみで
今のところ、三菱中型車の新車投入はこれが最後となっています。

三菱は、本型式販売以前、AeroNostepMidiの呼称を持ち
T-DRIVEと呼ばれるチェーン式アングルドライブを採用して、
ホイールベースを延長してノンステップエリアを広く採った
KK-MJ26HF改及びKK-MJ27HLを9m級中型車の
ノンステップ車として用意していて、関鉄でもこのうち、
KK-MJ26HF改の1816MK・1817MKを水海道営業所へ、
守谷市コミュニティーバス「やまゆり号」用に投入していますが、
本型式では一転して、一般的な駆動方式を採用するようになり、
中扉が前寄りになるなど、スタイルが変化しています。

この車は、既に2004年式のノンステップ車である、
土浦の1875TC・1876TC及び取手の1877TRが
国土交通省認定ノンステップバス標準仕様での
導入となったにも関わらず、どういう訳か通常仕様で
投入されているのがポイントとなっています。
ただし、増備車の1893YT・1897MKは当然ながら
国土交通省認定ノンステップバス標準仕様での
導入となっていて、それを示すステッカーの有無や
出入口表記のピクトグラムの有無、車内の握り棒の色等、
一見すると気づきませんが結構差異があります。

また、これはメーカーの仕様だと思われますが、
側面行先表示器が前扉脇に設置されているのも、
関鉄の路線車としては違和感があるポイントです。

更に、1885YT・1893YTは中型車ながらも後に
つくば市のコミュニティーバス、「つくバス」のうち、
AeroMidiMEが専用車である「地域循環」の予備車として
使用すべく前扉脇に小田原SAN-VTN一日券発行機を
追設しており、実際に6コースや10コースに入っています。

三菱の中型車は、2008年以降、日産ディーゼルから
西日本車体工業製車体を架装するSpacerunnerRMの
OEM供給を受けることとなりましたが、関鉄では結局、
西日本車体工業製車体を架装する車の投入は無いまま、
西日本車体工業は解散してしまいました。
三菱ふそうとUDトラックスとの提携解消以降、
三菱の中型車の動向が気になるところですが、
関鉄はその中でどういう車種を選択していくのか、注目です。

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関東鉄道 1885YT への2件のフィードバック

  1. つくば人 のコメント:

    いすゞの低床車の段上げ部分が窮屈なのに比べて、この型式は中扉後の席が階段にかかる設計で非常に広々としていて前から後ろまで車内に一体感がある印象です。

    また、前輪タイヤハウスの上の席の足下が真っ平らで足の落ち着きがよかったりと乗客目線では非常に優れたバスのように感じます。

    もっと増えてもいいと思うのですが3台で終わってしまいましたね

    このMKを朝夕を中心に乗車率の高い学園南循環の専用車にして、浮いたMEを地域循環に充てれば車両に余裕が出てくるなと妄想してる今日この頃です…
    地域循環に中型を使うのはやはりもったいない気がします。

  2. 大曽根線 のコメント:

    >>つくば人様
    いつもコメントありがとうございます。
    この車は他社のこのクラスの車に比べて、
    室内空間に余裕があり開放的な雰囲気ですね。
    特に他社では窮屈な後半部の座席も余裕があり、
    三菱らしくよく作りこまれた車という印象です。

    MEでも窮屈な狭隘路線の多い地域循環の中で、
    6コースや10コースは比較的条件がいい方ですが
    それでもそこに中型車が入っていくというのは圧巻で
    趣味的には興味深いのですが、ちょっと勿体ないですよね。

    ただ導入があまり進まなかったのは、やはりその分が
    購入価格に跳ね返ってきていたのでしょうかね。

    松代循環も学園南循環も乗客が増えているようで、
    今年実施されるつくバス再編でこの辺りが
    どう動くかが気になりますね。

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