バスマガジン Vol.43 感想

筆者が懇意にさせて頂いている、
Mr.ジョソ様のブログ、「風見鶏は啼いているのか」の中で、
私が最も楽しみにしている企画の一つに、
各バス雑誌のレビューがございまして、…(参考記事)
2009年9月発売のバスマガジン Vol.43の
おじゃまします!バス会社潜入レポートにて、
我らが関東鉄道グループが特集されましたので、
関鉄ユーザーらしく、この記事だけをレビューさせて頂きます。

もちろん、筆者は出版社の回し者でも何でもないので、
提灯記事なぞ書くわけもなく、多少は辛口なので、
それで良ければという方だけ、お読みください。

念のため書いときますけど、
私はバスマガジンが大好きで、創刊号から毎号買ってます!

そもそも毎号買っているバス雑誌はこれが唯一でして、
創刊二十周年を迎え悪い意味でも安定感が出てきて、
切り口に新鮮味が薄くマンネリを感じざるをえない某誌や、
相変わらず西東京の事業者ばかりを取り上げて、
どうも偏狭な趣味観を押しつけてる気がする某誌などに比べ、
創刊から一貫してバスの楽しさを前面かつ全面に押し出し、
常に新たな視座を提供し続ける本誌は、
やはり一歩抜きんでているなといつも感じさせます。

まあ誤記誤植が多いのは今号も相変わらずですが、
人間も完全無欠ではないところにこそ、その魅力があるわけで、
その点に成長性を感じさせる雑誌としておきましょう(上から目線)。

まず、冒頭の事業概要は、BJハンドブック R61の
「関鉄バスのあゆみ」が前回の焼き直しに終始し、
近年の状況についてはあまり語られていなかったのに対し、
「KP3」施策をはじめTX開業以降の動向について
仔細に言及がなされていることには感銘しました。
そういえばバラエティあふれるグッズ展開や、
地の利を活かしたイベント輸送での活躍等も、
忘れがちですが、関鉄の魅力でしたね。

そしてメインの車両解説ですが、
異端車を大きく取り上げているのは
まさにバスマガジンの本領発揮といったところで、
関鉄の趣味的魅力が端的に示されて非常に感激しました。
9158TC、9247TK、9156YT、7014TCをはじめ、
1664MT、G038、8029TCを取り上げたのは流石です。
9326RGの路肩灯の記述の意味がよく判らないのですが、
これは恐らく9326RGでLED路肩灯を試作して、
以降の中古車ではLED路肩灯を標準的に採用した、
という意味だと解釈して良いと思います。
続く9327TC・9328TC・9329TCは登場時から、
路肩灯がLEDとなっていますので、間違いは無いかと。
もちろんこれはあくまでもオフィシャルな見解であって、
9222TCのような担当者によるカスタマイズは、
当然ながらこの範囲外だと思われます。
そういえば、いつの間にか自社発注車も高速車を含めて
LED路肩灯が標準的に採用するようになっていますね。

重箱の隅をつつけば、誤記が多いのは相変わらずで、
U-LV324Kの紹介が、さも5両全てが
龍バスカラーであったような文章になっていたり
(正しくは5両中3両のみが龍バスカラー)、
PA-LR234J1の紹介で、クーラーのメーカーの違いが
ワンステップかノンステップかによるものになっていたり
(正しくはRainbowⅡがデンソー、ERGAmioがサーモキング)、
KK-LR233F1の紹介で、1812MK・1813YTの
側面行先表示器が小型ということになっていたり
(正しくは転用時のLED化の際に大型のものへと改装)、
と、間違いを探せばキリがないという感じなのが残念です。

その他にも車両コードの所属表記あり・なしの不統一、
登録番号や車両コードの誤記等も気になるところです。
KC-HZB50の8059TC・8061TC・8061MKの出自や用途も
紹介して欲しかったな、というのはまあ我儘が過ぎますね。
しかし、BJハンドブックではなかったことになっている、
P-LV314LとP-LV314L改、U-MK117JとU-MK117J改等の
微妙な差異もしっかり取り上げているのは好印象です。

最後の設立時のあゆみに関しては、
基本的に内容は前述の「関鉄バスのあゆみ」と
大体一緒なのは仕方ないとしても、
千葉海浜中古の三扉車、日野K-RC321の写真に、
「2000年代に入ったころはまだその姿が見られた
貸切改造三扉車」と書いてあったのにはびっくりしました。
貸切改造三扉車が廃車になったのは随分昔ですし、
写真が、BlueRibbon用のバンパー交換した後の
再末期の9072TCというレアなものだっただけに残念です。

所有車両全データは貸切車をSB、SQ、SSという
種別で分類したのが新鮮でしたが、
関観、グリーン、パープルの「001―」が「自社発注車」と
紹介されているのは少々気になりました。
正しくは「分社化後に直接投入された車」ですね。
そういえば紙面の都合から集合写真がないのも残念ですね。

レビューは最終的に「残念です」の羅列になってしまいましたが、
今号は関鉄ファンなら買って損は無い内容だと思いますので、
是非入手されては如何でしょうか?

カテゴリー: バス関連雑誌・書籍 パーマリンク

コメントを残す