関鉄パープルバス 1721P


関鉄パープルバス 1721P/三菱KC-MJ219L+三菱バス製造(Aero MIdi MJ)

一見、どこにでもいるトップドアのAero Midiに見えますが、
この車はT-DRIVEと呼ばれるチェーン式アングルドライブを採用し、
リアオーバーハングを詰めたAero MIdi MJシリーズに属する車です。
貸切バス・乗合バス向けのMJシリーズといえば、
全長7m級でホイールベース3.5mのF尺が一般的ですが、
この車は警察の人員輸送車向けとして製造された、
全長9m級でホイールベース5.3mのL尺となっているのが、
最大の特徴で、全国的にみても非常に希少な存在です。
側面を見ると、ホイールベースの長さが際立ちます。

このMJシリーズには、後に日本交通の特注で、
ホイールベースを4.2mに延長したうえで、
定員29名以下・総重量8t以内に抑えて、
全長9m級ながらも、中板ナンバーで登録可能とし、
高速道路料金が普通車区分となるようにした、
KC-MJ629Jが登場し、他社にも納入されますが、
それと似たコンセプトと言えるかもしれません。
KC-MJ629Jがハイデッカー仕様が一般的なのに対し、
こちらは標準床仕様とされている他、
ナンバーも大板ナンバーとされています。

なお、警察向けのKC-MJ219Lに架装される車体は、
P-MK117系やU-MK117系などで採用されていた、
FMC前のAero Midi MK路線仕様が一般的である様で、
シャシー自体だけでなく、シャシーと車体の組み合わせもまた、
非常にイレギュラーな一台といえます。
観光仕様の車体となっていますが、標準床である上に、
側窓が銀サッシのメトロ窓とされたチープな仕様ですが、
ヘッドライトがプロジェクターランプとされていることが目立ちます。

非常口が車体中央部に設置されているのも目立ちますが、
これはKC-MJ218F等の標準床車などでも見られますね。
後面のエンジン開口部はMJシリーズらしい形状です。

これだけ特殊な車が関鉄に投入された理由は謎ですが、
以前はメーカーのサンプルカーであったという説もあるようで、
ただし、この車の車台番号が1ではないのが気になります。

1996年につくば中央営業所に投入されて、
茎崎町の特定車として使用された後に、
水海道営業所に移籍し、1418MKと共に、
水海道市福祉循環バス用として使用されました。
しかし、この水海道市福祉循環バスに新たな専用車、
1812MK1813MKが投入されると、役目を失い、
今度は引き続き、絹西小学校のスクールバスである、
「きぬの里地域促進バス」専用車に転用されました。
2008年にはこの委託先が豊栄観光に移ったことから、
関鉄パープルバスへと移籍しましたが、このような具合で
特殊車故かどうもいつも微妙な位置となっているようです。

正面の行灯部分は窪みはあるものの塞がれています。
この部分には水海道市福祉循環バス時代には、
「福祉循環バス」と表記されていたようですが、
現在は消されたままとなっているのが寂しいところですが、
「T-DRIVE」のロゴが残されているのは渋いですね。

【諸元】
登録番号:つくば200か・・98←土浦22あ1873
年式:1996
型式:KC-MJ219L
機関:6D17(8201cc 220ps/2900rpm)
ホイールベース:5.3m

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