関鉄グリーンバス 9535G/日産ディーゼルPKG-RA273MAN+西日本車体工業(B-Ⅰ型96MC)
船橋新京成バス中古車であり、旧社番は1002です。
2007年に鎌ヶ谷営業所へ投入された大型車であり、
車種は、スペースランナーRAが選択されています。
船橋新京成バスでは、2003年に分社化されて以来、
ノンステップ仕様の中型車の投入が続きましたが、
同年に先行投入された1001に続く大型車となり、
収容力を重視したワンステップ仕様となりました。
車体は当然ながら西日本車体工業製となっており
扉配置は中四枚折戸ではなく中引戸となりました。
同車種は尿素SCR触媒とコモンレール式燃料噴射、
酸化触媒を組み合わせた排出ガス浄化システムを
世界で初めて採用したことが特徴となっています。
しかし尿素水インジェクターの詰まりを防ぐため
定期的に清掃を行うなど、手間が増えてしまう他
尿素水補給の手間、重量増などの欠点もあるため、
国内中古車市場でのリセールバリューは低めです。
当車は新製配置以来、路線車として活躍しましたが
2020年、みらSATOのスクールバスに転用に伴って
1940に改番されしばらく特定車として活躍しました。
2021年には習志野営業所へ転属して路線車に復帰し
2011に改番されたものの短期間で廃車となりました。
廃車後は、2911・2912に続き関鉄へと移籍を果たし
配置までに随分と時間を要したものの2023年に入り
9535Gとして関鉄グリーンバス石岡営業所へと配置、
一般路線車として運用され土浦駅にも顔を出します。
なお、車両コードは9000番台となっていることから
関鉄本体からのリース車として扱われている様です。
近年新型コロナウィルス感染症による需要減に加え
都市部の事業者の排出ガス規制への対応が一段落し
都市部の事業者でも車両の使用年数が延びたために
高年式の中古車が国内中古車市場に出回らなくなり
地方部の事業者が高年式で使い勝手の良い中古車を
入手しにくくなっている状況が全国的に見られます。
一方、関鉄では、2019年に投入された9504TC以降、
原則ノンステップ仕様の中古車を投入していますが
こうした状況に加え京成の車両代替が鈍化したため
関鉄にとっては異例の車の投入に至ったのでしょう。
外観ではサイドミラーが新京成時代は左右上吊りの
いわゆる幽霊ミラーだったものが右のみ換装されて、
一般的なサイドミラーとなったことが目立ちますが
それ以外の変化は、塗装の変更程度となっています。
側面窓周りは中扉も含めしっかり黒色に塗装されて、
車高の高さも相俟って堂々とした姿が目を惹きます。
テールランプは俗にシビリアンテールと呼ばれる、
市光工業製26550-WJ125・26555-WJ125とされて
こちらも関鉄では非常に珍しく目立つとところです。
車内は「標準仕様ノンステップバス認定制度における
2005年以降標準仕様への改正」に準じたものとされ、
内張りが白灰色、床が濃灰色の滑り止めつきのもの、
更に握り棒が全て橙色の緩衝材巻きとされています。
座席配置は左側前半前向き1人掛1列・横向き2+2人掛、
中扉を挟んで、後半は前向き1人掛2列・2人掛2列で、
右側は前向き1人掛5列と前向き2人掛2列とされており
このうち4・5列目は車椅子固定に備え折畳座席です。
また座席表皮は全席とも水色系の柄物とされました。
西日本車体工業製車体の車が希少な関鉄にあっては
マニアから非常に強い注目を浴びる存在となっており
新天地である当地での永い活躍を期待したい車です。
【諸元】
登録番号:土浦200か1829
年式:2007年
型式:PKG-RA274MAN
機関:MD92TJ(9203cc 300ps/2200rpm)
ホイールベース:5.3m