関鉄観光バス 7015TC


関鉄観光バス 7015TC/日産ディーゼルP-RM81G+富士重工業(6E)

筑波大学中古車です。
広大な敷地を誇る筑波大学では、点在する各施設間を結ぶため、
学内連絡バスと呼ばれる無料のバスが運行されていました。
しかし、利用者の減少や担当職員の高齢化等の理由から、
2005年、つくばエクスプレス開業に併せて、新たに
「筑波大学キャンパス交通システム」と呼ばれるシステムを
関東鉄道と筑波大学との産学協同で開発し、これに移行しました。

これは、これまでの学内連絡バスを廃止して
関鉄の一般路線であるC10系統・筑波大学循環を新設し、
有料化・民間委託を図る一方で、その代償として、
年間職員8400円・学生4200円という極めて廉価な料金で
大学構内の路線バスが乗り放題となる定期券を販売する、
という、他に例を見ないシステムです。

学内連絡バスが大学構内完結だったのに対して、
筑波大学循環ではつくばセンターへの接続が図られたこと、
学内連絡バスが一時間当たり二本だったのに対して、
筑波大学循環では一時間当たり六本と増発されたことから
結果的に利用者が倍増し、モビリティ・マネジメントの好事例として
このシステムが紹介されることもしばしばあります。

さて、余剰となった学内連絡バスの専用車は、
全車ともオートマチックトランスミッション車ながらも
走行距離が短かったからか、計5両の在籍車うち、
機械式オートマチックトランスミッションであった1両を除き、
関鉄観光バスに移籍して、引き続き活躍することとなり、
P-RM81Gの900・901も1990年式と経年車ながら、
7015TC・7016TCとして関観の土浦本社営業センターに移籍、
後引戸の扉配置をはじめ、小形の方向幕やマーカーランプなど、
筑波大学時代の特徴を色濃く残したまま、活躍していました。

もちろんトルクコンバータ式オートマチックトランスミッションも、
そのままとされ、マニュアルトランスミッション車が殆どである
関鉄ではかなり目立つ存在で、走行音も独特でした…(参考記事)
燃費の面やメンテナンスの面で手を焼く存在だったようですが、
2009年、関観の土浦地区路線縮小に伴う減車によって、
7011TC7012TC7016TCと共に廃車となるまで活躍を続けていました。
写真は、路線縮小に伴い閉鎖される直前の田伏営業所ですが、
このような光景ももはや過去のものとなったのは惜しまれます。

筑波大学時代との番号との対応に関しては不明ですが、
番号順に900が7015TC、901が7016TCが妥当かなと、
私は特に根拠なく、勝手に考えていますので、
併せて900の学内連絡バス時代の写真も貼っておきます。
この写真は、学内連絡バスの廃止セレモニーの際に、
会場に展示して頂いたものです。

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