関東鉄道 9385TC/いすゞKL-LV834N1+いすゞバス製造(ERGA)
京成バス中古車で、京成時代の社番は5182です。
2002年に千葉営業所へと投入された車ですが、
この5182は千葉営業所初のノンステップ車でした。
1996年以来、ホイールベース4.8mの短尺車が
もっぱら投入されてきた千葉営業所にあって
ホイールベース5.3mの標準尺車なのが特徴です。
2014年まで同営業所で活躍を続けておりましたが、
廃車後に関鉄へ移籍、土浦営業所へ配置されました。
ERGAのノンステップ車は、ワンステップ車をベースに
前半部のみ低床構造とした廉価版のType-Aと、
小排気量のエンジンを垂直横置きに配置したことにより
後方まで低床構造とした本格仕様のType-Bとが、
設定されており、並行して販売されていました。
後者は小排気量エンジンを採用し、トランスミッションは
トルクコンバーター式オートマチックトランスミッションのみで
マニュアルトランスミッションには対応していませんでした。
京成では2000年と2002年に後者に当たる本型式を投入、
しかも、いすゞバス製造製車体を架装した車だけではなく、
富士重工業製車体を架装した車も投入しています。
但し、いすゞバス製造製車体を架装した車は少数派で
金町営業所の8148・8160、江戸川営業所のE108、
そしてこの千葉営業所の5182の4両のみとなっています。
その他、京成タウンバスにも5両が投入されています。
投入に際して当然ながら低床色に塗装されており、
また側面窓周囲の黒色塗装もしっかり施されています。
しかも側面窓後方から側面後部のガーニッシュの間も
側面窓の幅に合わせて黒色塗装が施されているので
Type-Bに特有の後方のデッドスペースが目立たず、
非常にスタイリッシュな仕上がりとなっています。
車内は、内張りが白灰色一色ですっきりした印象で、
床は車椅子固定場所が茶色石目調の平滑な床材張り、
他が濃緑色の滑り止め付の床材張りとなっています。
なお、後半部の通路は傾斜が廃され段差付きとなり
傾斜部の紅色の滑り止め付き床材も省略されました。
座席配置は前モデルからは変更されてはおらず、
乗降口側前半部が前向1人掛1列・横向2+2人掛、
後半部が前向2人掛3列と後半部も2人掛のままです。
非常口側も前向1人掛5列と前向2人掛3列とされ、
4・5列目は車椅子固定場所のため折畳座席です。
座席表皮は全席とも群青色の柄物とされています。
運転席背後に停留所名表示器が設置されていますが、
運賃箱は廃車発生品の小田原機器製RX-BLHです。
また降車釦は側面窓中桟部もWS-220となっています。
今後も動向が注目される一両です。
【諸元】
登録番号:土浦200か1388
年式:2002
型式:KL-LV834N1
機関:6HK1-TCC(7790cc 260PS/2700rpm)
ホイールベース:5.3m