月別アーカイブ: 2015年3月

茨城交通 水戸200か・・80

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茨城交通 水戸200か・・80/型式不明+日産ディーゼルフィリピン(EURO TOUR)

日産ディーゼルは、海外のバス製造拠点として、
フィリピンに現地法人日産ディーゼルフィリピンを設立、
ベルギーのヨンケーレから車体製造の技術供与を受け、
1992年よりヨンケーレの都市間輸送向けハイデッカー、
DEAUVILLE 30をベースとするEURO TRANSを製造、
フィリピンだけでなく中国やサイパンに輸出していました。

EURO TRANSは日産ディーゼルの輸出用バスシャシー、
RB46のフレームを前後のアクスルに使用していますが、
ホイールベース間はフレームレスのスケルトン構造として、
耐久性と軽量性を兼ね備えた独自の構造となっています。
車体製造に当たりヨンケーレから購入した治具を使用、
車体構造から塗料までヨンケーレに準拠していますが、
現地の高温多湿な気候に応じ防錆対策を強化しています。
車体は防錆の亜鉛メッキ鋼板が主体とはなっていますが、
前面腰板・後面腰板・ホイールアーチ・屋根はFRP樹脂製、
また側面のトランクリッドや点検口のパネルはアルミ板を、
スカートにはステンレス板を使用しているのが特徴です。
車体の構造材はドイツ製の角チューブを使用しています。

EURO TOURはこのEURO TRANSをベースとして、
右ハンドル化だけでなく、我が国の各種規制に併せ、
軸重配分の変更、非常口の設置、灯火類配置の変更、
ステップの寸法変更、内装の難燃化確認等を行った他、
日本市場を見据えてフロントグラスの一枚化をはじめ、
デンソー製フルオートエアコンへの対応等を図りました。
エンジンは当時高出力志向だった日本市場に対応し、
EURO TRANSが搭載する直列6気筒のPE6T等に代え
SPACE ARROW等が搭載しているV型8気筒の
RF8(310ps)ならびにRG8(350ps)を用意しており、
RF8を搭載する標準出力の観光仕様JA520RBNと
RG8を搭載する高出力の都市間仕様JA530RBNの
二つのモデルを用意、1996年に販売開始されました。

EURO TOURは東京空港交通が大量購入したものの
サスペンションが車軸懸架ゆえの操縦安定性の悪さや
補修部品供給体制に対する不安などもあったために、
他事業者にはあまり普及することはありませんでした。
挙句2001年にはアジア通貨危機の巻き添えを喰らって
日産ディーゼルフィリピンが解散し生産中止となります。
但し、国内メーカーが対抗策として自社の観光モデルに
廉価仕様を設定するなど、国内市場への影響は大きく、
また、車検証の上では型式が不明とされているために、
各種排出ガス規制を逃れることができることもあって、
特にトランク容量の大きい直結クーラー車を中心に、
主にインバウンド観光客輸送に従事する事業者など、
いわゆる新免貸切事業者から強い支持を得ています。

茨交は、2000年に79・80・81の3両を高速車として投入、
仕様はいずれも高出力のJA530RBNとなっています。
車体で目を惹くのは不等間隔となっている窓柱ですが、
これは美観や窓ガラス・サッシ等の部品の共通化よりも、
車体の剛性を最優先にした結果で、こんなところにも
ヨンケーレというコーチビルダーの哲学が現れています。
クーラーはデンソー製のサブエンジン式となっています。

テールランプは当初、横長の田の字形となっていましたが
メーカーの仕様変更に伴い1999年途中より配置を変更し
レシップ製SFL-9000を3枚並べたものになっています。
あわせてリアのライセンスライトも上部から左右に変更、
エンジンリッドの形状も若干変更されています。
茨交のものは当然、仕様変更後のものとなっていますが、
ここでは参考にテールランプが仕様変更される前の、
東京空港交通中古車のリアを以下に示しておきますが、
テールランプの配置及び部品は東京空港交通時代の
車体更生の際、変更されている点にご留意ください。


シーエイチアイ 袖ヶ浦201い8888/型式不明+日産ディーゼルフィリピン(EURO TOUR)

内張りは我が国では珍しいタフテッドカーペットとされ、
床はPVCの黒色で滑り止め付の床材張りです。
側面窓のガラスには馬車を模した「JONCKHEERE」の
ロゴがしっかりと入れられていることも注目されます。
EURO TOURの内装の特徴として、逆T字窓の場合は、
側面窓下部の窓枠にはヨンケーレの伝統に倣って
天然木の合板が貼られていることが挙げられますが、
こちらはT字窓のため金属地剥き出しの部材だけです。
乗降口側後部には高速車らしくトイレがありますが、
トイレ室内の床材も客室内と共通とされているなど、
後付感の漂う仕上がりとなっているのも気になります。
トイレ自体は五光製作所製の循環式となっています。

肝心の乗り心地ですが、振動や車体の軋みは少なく
車体の剛性の高さを感じるどっしりとした味わいです。
ただ、車軸懸架が祟っているのか高速走行中は、
運転士さんが修正舵を当てているのが目立つ他、
スイング扉ながら若干風切音が鳴るのが気になります。

全国的に見ても気軽に乗れる車種でなくなっている中、
現在も3両全車が東京口で活躍することは嬉しいことで
ぜひ独特な乗り心地と内装を味わって頂ければと思います。


関東鉄道 9266MK


関東鉄道 9266MK/三菱U-MP218M+富士重工業(7E)

京成中古車で、京成時代の社番は3330です。
1995年に松戸営業所へ投入、廃車後関鉄へ移籍し、
2007年に土浦営業所へ配置、9266TCとなりました。
関鉄本体に投入された中古車の場合、9257TC以降、
行先表示機は基本的にLED行先表示機となっており
同時期に投入された9260YT・9264TC・9265TCと共に、
京成時代に換装されたLED行先表示機をそのまま
関鉄でも使用していることが目立っていました。

この9266TCの外観上最大の特徴となっているのは、
9264TC・9265TCと同様に前面及び後面のバンパーが
関鉄の7Eにあってはこれまでは自社発注車でしか
見られなかった黒色のものとされていることです。
関鉄でも8Eの場合、関鉄初の8Eである1565MTから
低床色の場合を除き一貫してバンパーは銀色であり、
また、中古で投入された7Eは9102TRを皮切りに
原則としてバンパーは銀色とされてきていました。

尤も、中古で投入された7Eの場合でも9238YT並びに、
9240YT~9246TCはバンパーが青磁色とされており、
低床色を思わせる仕上がりとなっていました。
また、自社発注車の7Eでも1508YT1509RGは、
バンパーが黒色から銀色のものに変更されるなど、
バンパー一口とっても奥深いのが関鉄らしいところです。
なお、当車より遅れて投入された同型車の9261TC
バンパーが従来通りの銀色に戻されています。

配置当初は、一般路線車として活躍していましたが、
配置から半年程度で常総学院特定車に転用されました。
2010年、ダイキン特定車だった9250YTの転入に伴い、
取手営業所に転出して9266TRとなり、ここで再び
一般路線車として運用されることとなりました。


関東鉄道 9266TR/三菱U-MP218M+富士重工業(7E)

2014年、水海道営業所に転入、常総市特定車となり、
「きぬの里地域促進バス」として運用されています。

車内は従来通り京成時代のままとなっていますが、
座席表皮が全席桃色の柄物とされていることが、
移籍当初の関鉄では珍しく、目を惹いていました。
一方で、これまで自社発注車・中古車を問わずして
運転席背後に設置されていた行灯が省略されて、
簡素なホワイトボード風の板に変えられました。

特定車のため走行距離は短いと思いますが、
引き続き末永く活躍して欲しい一両です。

【諸元】
登録番号:土浦200か1045→つくば200か・550
年式:1995
型式:U-MP218M
機関:6D22(11149cc 220ps/2200rpm)
ホイールベース:5.3m

関東鉄道 2073TC


関東鉄道 2073TC/いすゞQPG-LV234N3+J-BUS(ERGA)

2014年に土浦営業所へ投入された自社発注車です。
2014年は2063MK・2064MK・2065YT・2066YT、及び、
2071MT・2072RG・2073TC・2074RG・2075TRの、
合計9両の自社発注の路線車が投入されました。

近年の自社発注車は2035MK以降の仕様を基本とし、
前面バンパーに白色LEDのデイライトを備える他、
側面窓が濃色ガラスとなる等、高級感がありますが、
更に2012年式のうち2013年に投入の2040MT以降、
側面行先表示器が中扉直後ではなく戸袋窓部分に
配置されるようになったのが特徴となっていました。
しかし2014年式の自社発注車は、三菱車に限り、
側面行先表示器が中扉直後に戻されています。

更に、2014年に投入された自社発注の路線車のうち、
2071MT・2072RG・2073TC・2074RG・2075TRの5両は
対空表示よろしく屋根上後方に黒字で社番が入ったのも
普段は気付きにくいながらも目を惹くところとなっています。
なお、高速車も2076IT以降屋根上に社番が入れられています。

さて、この後期の5両のうち土浦営業所へ投入された
2073TCは、2013年に投入された2060TCと同様、
ホイールベース5.3mのノンステップ車となっており、
2060TCのリピートオーダーといった趣となっています。
また2075TRも2013年に投入された2049TRと同様、
ホイールベース5.3mのワンステップ車となっています。

車内もメーカーが設定するラッシュ型の座席配置等、
2060TCと同様の仕様とされていることが特徴です。
もちろん、2035MK以降の自社発注車で一般的な、
液晶ディスプレイの車内表示器が採用された他、
LED車内灯、音声案内付ドアチャイムなども備えます。
その他、京成等でお馴染みの日野製左折アラーム
S8665-01330を投入時から装備していることも、
2026MT以降の自社発注車に共通する特徴です。

収容力を活かしての活躍が期待される1両ですね。

【諸元】
登録番号:土浦200か1403
年式:2014
型式:QPG-LV234N3
機関:6HK-TCC(7790cc 260ps/2400rpm)
ホイールベース:5.3m