月別アーカイブ: 2011年3月

阪東自動車 284


阪東自動車 284/日ディADG-RA273KAN+西日本車体工業(B型96MC)

長らく日野車のみを投入してきた阪東に、2006年、
突如投入された日産ディーゼル車がこの284です。
この車の投入で、遂に路線車は国内4メーカーが全て揃いました。
この異例の車種選択の背景には、この車が当時、路線車では唯一、
平成17年排出ガス規制(新長期規制)に適合した車だったことの他、
東武グループでの試験的導入という意味合いもあるとされています。
ミッションはZF製のトルクコンバータ式オートマチックトランスミッションで、
SPACERUNNER RAのAT仕様としては市販初号車でもあります。
2006年に投入された285286は標準尺ですが、こちらは短尺です。

また、阪東としては初めて西工製車体を架装した車でもあり、
フロントガラス下端が一直線となるB-Ⅰが採用されています。
前扉直後の側窓が羽目殺しではなく上部開閉可能である点が
ホイールベース4.8mの短尺車(K尺)では珍しい仕様です。
阪東では雨樋より下の側窓周囲を黒色に塗装することで、
他車種に比べ太い幕板を目立たなくさせているのもポイントで、
特に非常口周囲は巧妙に処理されています。

また、日産自動車CIVILIAN用のコンビネーションランプを
採用し平成18年灯火器保安基準に適合させたことも、
外観上の大きな特徴といえましょう。

引き続き、国土交通省認定ノンステップバス標準仕様での投入で、
車内の握り棒が橙色に変更されているのは他車同様ですが、
その後、阪東に投入されたSPACERUNNER RAは全て、
標準仕様ノンステップバス認定制度における
2005年以降標準仕様への改正に対応しているために、
これまで、阪東に投入されたSPACERUNNER RAの中で、
ステッカーが青色で、床材が青灰色となっているのはこの車のみで、
また野田ナンバーとなっているのもこの車のみです。

関東鉄道 1816MK


関東鉄道 1816MK/三菱KK-MJ26HF改+三菱バス製造(AeroNostepMidi)

北相馬郡守谷町(当時)のコミュニティーバス「やまゆり号」の、
路線拡充に際して2001年に水海道営業所に投入された、
1816MK・1817MKは関鉄では唯一のAeroNostepMidiです。
1996年の「やまゆり号」運行開始に際しては、車イス乗車のため、
中扉をリフトとした専用車、1719MKを投入していましたが、
今回はノンステップ車での対応とされました。

三菱AeroNostepMidiは主に貸切バス向けに販売された
7mクラス中型車、AeroMidiMJシリーズで採用されてきた、
T-DRIVEと呼ばれるチェーン式アングルドライブを
ノンステップ車に応用し2000年に販売された車種で、
7mクラスと9mクラスとが用意されていましたが、
型式は共にKK-MJ26HF改とされ、ややこしい所です。
もちろん、「やまゆり号」専用車1816MK・1817MKは
ホイールベースは5.26mと長くとった9mクラスで、
クラス最大のノンステップエリアを誇ります。
ただし、このような特殊な機構を嫌ったのか、
関鉄では結局、この2両のみの投入に留まっていて、
一般路線車としての投入はありませんでした。

この2両は当然中引戸仕様ですが、「やまゆり号」は
前乗り前降りで均一料金制であるため、1719MK同様、
車イスの乗降が無い場合は中扉は締切扱いでした。
ユリの花が描かれた赤色の専用塗装を纏うこと、
コース別に色分けされた方向幕を装填することも、
また、先行の1719MKと同様です。
なお、一時期、系統番号入りの方向幕を
表示していたこともあるようです。

内装は座席表皮が東武バスの様な、
灰色系の幾何学模様の柄物である以外は、
当時の関鉄としては一般的なものですが、
イボ付の黄色い敷物が通路中央部に貼られ、
点字ブロックのようになっているのが特徴です。
また、乗降口側最前列の座席には、
「ハッスル黄門」の縫いぐるみが置いてあり、
座れないようになっているのがユニークです。

さて2009年、守谷市は「やまゆり号」の再編を実施し、
新たなコミュニティーバス「モコバス」となりましたが、
併せて1816MK・1817MKは「モコバス」専用車となり
行先表示機のLED化、塗装の変更がなされました。

更に2013年、低床色に改められて路線車に転用され、
併せて、潮来営業所へと転出しています。
結果的に、外装が三度変更されたことになりますね。

【諸元】
登録番号:土浦200か・286→水戸200か1382
年式:2001
型式:KK-MJ26HF改
機関:6M61-3(8201cc 225ps/2900rpm)
ホイールベース:5.26m

関東鉄道 1869MT


関東鉄道 1869MT/三菱KK-MK27HM+三菱ふそうバス製造(AeroMidi)

2003年に投入された一般路線車は、
つくつくバス用の1859YT・1860YT・1861TKと、
大型車の1867TC・1868TC、そして、
中型ロング車の1869MT・1870TRですが、
このうち1869MTと1870TRの2両は、
関鉄の自社発注車としては極めて希少な
中型ロング車となりました。

西日本鉄道・西日本車体工業と日産ディーゼルとが、
廉価とバリアフリーとの両立を目指して共同開発した
この中型ロング車は特に京王で主力として大量投入され、
2001年の交通バリアフリー法制定を控えた、
平成10年排出ガス規制に伴うモデルチェンジ時に、
日野も中型ロング車をラインナップに投入しました。

日産ディーゼルは、この際に既に用意していた、
ホイールベース5.56mのワンステップ車に加え、
関東バスや横浜市交通局が特注で投入していた、
ホイールベース5.16mのワンステップ車も正式に型式を取得、
また、サスペンションをエアサスとした、
ホイールベース5.56mのノンステップ車と
ホイールベース5.41mのノンステップ車もラインナップ、
あわせて、ワンステップ車にもエアサス仕様を加えました。
日野は、この際に新開発したノンステップの中型車、
Rainbow HRシリーズの一環として、
ホイールベース5.48mのノンステップ車を用意しました。

これらが、交通バリアフリー法に対応した車両を
低コストで導入する必要に迫られた事業者にヒット、
大型車の代わりにこれを主力として投入する事業者も
この時期は多く見られました。
その波に三年ほど乗り遅れる形で、三菱も
ホイールベース5.56mのノンステップ車を用意し、
2002年に中型ロング車市場に参入しました。

三菱は既にノンステップの中型車として、
アングルドライブを採用してホイールベースを長く採った、
Aero Nostep Midiシリーズを用意していましたが、
こちらは、駆動系は一般的なものとなり、新たに用意された、
Aero Midi Nonstepという呼称での販売となりました。
後発故か、軽量化が図られているのもポイントで、
競合車種が車両総重量(GVW)が12t以上のために
排出ガス規制の識別記号がKL-とされたのに対し、
こちらは12t未満のためにKK-となっているのが特徴です。

ベースとなったAero Midi自体がスタイリッシュだった上に、
ホイールベースが長くなったために、
まさに販売名通りの空力感を感じさせる仕上がりで、
流れるようなラインの関鉄の低床車カラーがまたよく似合うので、
登場時は、非常にカッコいい車だなと感じました。
元々横長な側面の「NONSTEP」のロゴが
長いホイールベースに綺麗に収まるのも好印象です。
しかし、1870TR共々増備されることはなく、
この車が今のところ唯一の存在となっています。

仕様は、概ね同年式の大型車に準じていて、
側面の社名が青色に戻されているほか、
ホイールが銀色とされているのがポイントです。
また、自社発注車のKL-MP37JK・KL-MP37JMで
何故か取り付けられているリアのマーカーランプが
この車でも採用されているのがまたいい味を出しています。

なお、この車が投入された2003年に
関鉄では水戸地区に系統番号を導入しており、
これ以降に新調された方向幕には当然ながら、
この系統番号が入れられました。
しかし、水戸営業所の車としては1843MTに続き、
LED行先表示機を搭載したこの車も含め、
水戸営業所のLED行先表示機の車の表示には、
何故かこの系統番号は入れられないままとされました。
結局、水戸地区での系統番号は
系統番号再編のための準備という名目で、
2010年に廃止されています。

【諸元】
登録番号:水戸200か・463
年式:2003
型式:KK-MK27HM
機関:6M61-3(8201cc 225ps/2900rpm)
ホイールベース:5.56m