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茨城交通 水戸200か・408

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茨城交通 水戸200か・408/三菱U-MP218K+新呉羽自動車工業(AeroStarK)

東京都交通局中古車で、元局番はB-X446です。
1991年に渋谷自動車営業所に投入された車で、
2002年に廃車された後、茨交へ移籍を果たしており
2003年に勝田営業所へと配置されています。
なお勝田営業所には元V-X515も配置されています。

茨交においては、かつて三菱車は少数派であり、
とりわけ大型路線車に関しては1991年に投入された
自社発注車の1472が初の三菱車となりました。
以来、基本的に三菱車については中型車を除いて
三菱自動車工業製車体を架装していることもあって、
現在に至るまで、この408は茨交としては唯一無二の
新呉羽自動車工業製エアロスターKを架装する車で
茨交にあっては非常に目立つ存在となっています。

都営では都市新バス仕様の車や一部の中型車を除き、
ツーステップ車では銀サッシの二段窓が標準ですが、
三菱車に限ってはどういう訳か黒サッシの二段窓が、
三菱自動車工業製・新呉羽自動車工業製を問わず
N代(1984年度車)から早くも採用されているために、
この車も黒サッシの二段窓が奢られ目を惹きます。

また新呉羽自動車工業製だけに見られる特徴として
乗降中表示灯を設置した関係なのだと思われますが、
補助ブレーキランプ及びバックランプが横倒しとされ、
不思議な印象のテールランプ配置となっています。

その他、外観では屋根上に並ぶ四角形の通風機が
如何にも都営らしいアイテムとして目立つところです。
側面行先表示機は前扉直後に設置されたままですが、
移籍時に、前扉脇のコーン型の車外スピーカーを撤去し、
中扉脇にトランペット型の車外スピーカーを新設したのは
如何にも茨交らしい改造ということができるでしょう。
同時に屋根上のマーカーランプも撤去されています。
ライトベゼルは当時投入された中古車では一般的な
銀色に塗装されており、表情も変化していますね。

車内は移籍時の車体更生により茨交らしくなっており、
内張りは上半分象牙色・下半分薄緑色に改められ、
また座席表皮は全席緑色一色のものに変わりました。
ただし、座席配置自体はそのままとなっています。

車齢20年超の経年車ですが、貴重な存在ですので、
末永く活躍して欲しい車ですね。

茨城交通 水戸22あ1102


茨城交通 水戸22あ1102/日野P-RJ172BA+日野車体(Rainbow)

かつての茨交の主力だった、いわゆる「一つ目RJ」のうち、
最後に残った一両が、この自社発注車の1102です。
茨交には、昭和54年排出ガス規制適合K-RJ172AAが
1981年にはまず11両、そして続く1982年には12両、
1983年には更に10両、1984年には11両の合計44両、
それに続き、昭和58年排出ガス規制適合P-RJ172BAが
1984年に9両、1986年に2両、1987年に7両の計18両と、
自社発注車だけで合計40両の「一つ目RJ」が投入され、
うち、最終ロットとなった5両のうちの1両にあたります。

K-RJ172AAとP-RJ172BAとではメーカーの仕様変更で
前面行先表示機周辺の造作が多少異なっています。
K-RJ172AAは、側面窓の上辺と前面窓の上辺とが
一直線で前面行先表示機が大型の場合、突出しますが、
P-RJ172BAは、側面窓の上辺より前面窓の上辺が低く
前面行先表示機が大型でも屋根は一直線となります。

仕様としては茨交では一般的な後折戸となっています。
また側面方向幕が腰板部に配置されたロットもありますが、
この車は最終期のロットらしく側面窓に配置されました。
前面方向幕周囲が青色、側面方向幕周囲は象牙色です。
このロットは登場時より、万博カラーを纏っていましたが、
車体更生時に後半の帯が上が臙脂色・下が紺色から、
現在一般的な上が紺色・下が臙脂色に変わりました。
サイドミラーがいわゆる幽霊ミラーとされていることも、
力強い印象で好感が持てるところとなっていますね。

車内もまた往年の茨交としては標準的なものとされ、
内張りは伝統の上半分象牙色・下半分薄緑色のもの、
床は木床、座席表皮は緑色一色のものとなっています。

茨交で現存する車としては唯一パワーステアリングなしで
取り扱いには非常に苦労されていることとは思いますが、
今や全国的にも希少となっている「一つ目RJ」をそれでも
動態保存的に維持されていることは嬉しい限りですね。

茨城交通 水戸200か・・80


茨城交通 水戸200か・・80/型式不明+日産ディーゼルフィリピン(EURO TOUR)

日産ディーゼルは、海外のバス製造拠点として、
フィリピンに現地法人日産ディーゼルフィリピンを設立、
ベルギーのヨンケーレから車体製造の技術供与を受け、
1992年よりヨンケーレの都市間輸送向けハイデッカー、
DEAUVILLE 30をベースとするEURO TRANSを製造、
フィリピンだけでなく中国やサイパンに輸出していました。

EURO TRANSは日産ディーゼルの輸出用バスシャシー、
RB46のフレームを前後のアクスルに使用していますが、
ホイールベース間はフレームレスのスケルトン構造として、
耐久性と軽量性を兼ね備えた独自の構造となっています。
車体製造に当たりヨンケーレから購入した治具を使用、
車体構造から塗料までヨンケーレに準拠していますが、
現地の高温多湿な気候に応じ防錆対策を強化しています。
車体は防錆の亜鉛メッキ鋼板が主体とはなっていますが、
前面腰板・後面腰板・ホイールアーチ・屋根はFRP樹脂製、
また側面のトランクリッドや点検口のパネルはアルミ板を、
スカートにはステンレス板を使用しているのが特徴です。
車体の構造材はドイツ製の角チューブを使用しています。

EURO TOURはこのEURO TRANSをベースとして、
右ハンドル化だけでなく、我が国の各種規制に併せ、
軸重配分の変更、非常口の設置、灯火類配置の変更、
ステップの寸法変更、内装の難燃化確認等を行った他、
日本市場を見据えてフロントグラスの一枚化をはじめ、
デンソー製フルオートエアコンへの対応等を図りました。
エンジンは当時高出力志向だった日本市場に対応し、
EURO TRANSが搭載する直列6気筒のPE6T等に代え
SPACE ARROW等が搭載しているV型8気筒の
RF8(310ps)ならびにRG8(350ps)を用意しており、
RF8を搭載する標準出力の観光仕様JA520RBNと
RG8を搭載する高出力の都市間仕様JA530RBNの
二つのモデルを用意、1996年に販売開始されました。

EURO TOURは東京空港交通が大量購入したものの
サスペンションが車軸懸架ゆえの操縦安定性の悪さや
補修部品供給体制に対する不安などもあったために、
他事業者にはあまり普及することはありませんでした。
挙句2001年にはアジア通貨危機の巻き添えを喰らって
日産ディーゼルフィリピンが解散し生産中止となります。
但し、国内メーカーが対抗策として自社の観光モデルに
廉価仕様を設定するなど、国内市場への影響は大きく、
また、車検証の上では型式が不明とされているために、
各種排出ガス規制を逃れることができることもあって、
特にトランク容量の大きい直結クーラー車を中心に、
主にインバウンド観光客輸送に従事する事業者など、
いわゆる新免貸切事業者から強い支持を得ています。

茨交は、2000年に79・80・81の3両を高速車として投入、
仕様はいずれも高出力のJA530RBNとなっています。
車体で目を惹くのは不等間隔となっている窓柱ですが、
これは美観や窓ガラス・サッシ等の部品の共通化よりも、
車体の剛性を最優先にした結果で、こんなところにも
ヨンケーレというコーチビルダーの哲学が現れています。
クーラーはデンソー製のサブエンジン式となっています。

テールランプは当初、横長の田の字形となっていましたが
メーカーの仕様変更に伴い1999年途中より配置を変更し
レシップ製SFL-9000を3枚並べたものになっています。
あわせてリアのライセンスライトも上部から左右に変更、
エンジンリッドの形状も若干変更されています。
茨交のものは当然、仕様変更後のものとなっていますが、
ここでは参考にテールランプが仕様変更される前の、
東京空港交通中古車のリアを以下に示しておきますが、
テールランプの配置及び部品は東京空港交通時代の
車体更生の際、変更されている点にご留意ください。


シーエイチアイ 袖ヶ浦201い8888/型式不明+日産ディーゼルフィリピン(EURO TOUR)

内張りは我が国では珍しいタフテッドカーペットとされ、
床はPVCの黒色で滑り止め付の床材張りです。
側面窓のガラスには馬車を模した「JONCKHEERE」の
ロゴがしっかりと入れられていることも注目されます。
EURO TOURの内装の特徴として、逆T字窓の場合は、
側面窓下部の窓枠にはヨンケーレの伝統に倣って
天然木の合板が貼られていることが挙げられますが、
こちらはT字窓のため金属地剥き出しの部材だけです。
乗降口側後部には高速車らしくトイレがありますが、
トイレ室内の床材も客室内と共通とされているなど、
後付感の漂う仕上がりとなっているのも気になります。
トイレ自体は五光製作所製の循環式となっています。

肝心の乗り心地ですが、振動や車体の軋みは少なく
車体の剛性の高さを感じるどっしりとした味わいです。
ただ、車軸懸架が祟っているのか高速走行中は、
運転士さんが修正舵を当てているのが目立つ他、
スイング扉ながら若干風切音が鳴るのが気になります。

全国的に見ても気軽に乗れる車種でなくなっている中、
現在も3両全車が東京口で活躍することは嬉しいことで
ぜひ独特な乗り心地と内装を味わって頂ければと思います。