月別アーカイブ: 2012年3月

関東鉄道 1876TC


関東鉄道 1876TC/いすゞKK-LR233J1+J-BUS(ERGAmio)

2004年に土浦営業所に投入された自社発注車、
1875TC・1876TCは関鉄本体の一般路線車としては、
初のいすゞERGAmioとなった車です。

いまや、OEM車種のRainbowⅡと併せて、
関鉄では一大勢力を形成するERGAmioですが、
KK-代に限って言えば、実は少数派に留まっており、
2002年にパープルバスへ投入されたP002
2003年にグリーンバスへ投入されたG002、
水海道市福祉循環バスの1812MK・1813MK
龍ケ崎市「龍ゆうバス」予備車の1851RG
つくば市「つくつくバス」の1859YT・1860YT・1861TK
そして、1875TC・1876TCの計10両となっています。
うち、1812MK・1813MK・1851RGは短尺車です。

この様に関鉄本体向けはコミュニティバス・福祉バス等、
特殊な用途に向けて投入された車がその殆どを占め、
また分離子会社向けのP002・G002もまた、細部の仕様が
同時期の関鉄本体向け自社発注車とは異なっているなど、
一癖ある車が多くある中で1875TC・1876TCだけは、
極く無難な車だということができると思います。

この2両はまた、関鉄グループとしては初めて、
国土交通省標準仕様ノンステップバスとして投入され、
前面・側面にはそれを示すステッカーが貼られました。
ただし、この時期はまだ指定項目の数は少なく、
車内の握り棒の一部が黄色に変更された以外は、
内張りや座席表皮などに関鉄の独自性が残されており、
2003年式との大きな差異はあまり見られません。

この1876TCはナンバーステー取り付けをはじめ、
担当車制の関鉄らしく内外装に手が加えられており、
土浦営業所では1998TCと共に人気の高い車です。

【諸元】
登録番号:土浦200か・640
年式:2004
型式:KK-LR233J1
機関:6HHS(8226cc 225ps/2900rpm)
ホイールベース:3.4m

関東鉄道 1726TR


関東鉄道 1726TR/日野KC-RR1JJAA+日野車体(Rainbow)

利根川の渡し舟「小堀の渡し」の代替バスとして、
1999年に運行開始された「小堀循環」用の車です。

この車は「小堀循環」開業の二年近く前である
1997年に1726HSとして、同型車の1727HSと共に、
波崎営業所へと新製配置されていますが、
どういう訳か、土浦ナンバーを付けて登場しており、
かつ、1998年に取手営業所に転入するまでの間、
そのまま波崎営業所で特定車として使用される等、
投入にあたっての経緯にどうにも非常に謎が多い車です。

1727HSは1726HSが転出した後も土浦ナンバーのまま、
波崎営業所で特定車として活躍を続けていましたが、
2002年に水戸営業所に転属しています。

サスペンションはエアサスペンションとされており、
側面窓も銀サッシのメトロ窓と自家用車然としていますが、
サンプル塗装を纏う場合が多いこの手の車両らしからず
これまた何故か一般路線色で登場しています。
テールランプは一応、三連テールが奢られており、
下部には補助ブレーキランプも付いています。

ヘッドライト周囲は黒色とされているのにも拘わらず、
バンパーは銀色とされており、垢抜けない仕上がりです。
更にこのバンパー部分には一般的な行灯ではなく、
何を表示するつもりだったのかは判り兼ねますが、
方向幕が設置されており、これも謎めいた所です。

少なくとも「小堀循環」としての運用においては、
この方向幕は、大して意味をなさなかったにも拘わらず、
その設置位置からか保守に手を焼いていた様で、
写真の様に幕がふにゃふにゃになっている姿をよく目にしました。

また「小堀循環」での運用に際しては、前面・側面に
「小堀循環バス」と書かれたステッカーが貼られ、
遠目からも非常によく目立つようになりました。
ただ、写真撮影時にはこれも紙で目隠しされていました。

この様に、2000年に「小堀循環」用として取手営業所に
直接、新製配置された1793TRと比べると、
非常にアクの強い存在となっていましたが、
その後、1758TR、1778TR等の登場で、
余剰となったためか2008年に石岡営業所に転出し、
当初はそのままの塗装で特定車として活躍した後、
2009年に岩瀬日大高校スクールバス塗装に変更されました。
この塗装は、他社が運行する岩瀬日大高校スクールバスと
全く同じものとされており、爽やかな印象となっています。
石岡営業所では、方向幕は空白で固定されている様です。


関東鉄道 1726G/日野KC-RR1JJAA+日野車体(Rainbow)

車内は二人掛けのハイバックシートが並んでおり、
紺色一色の座席表皮がまた質素な雰囲気です。

【諸元】
登録番号:土浦22あ1890
年式:1996
型式:KC-RR1JJAA
機関:J08C(7961cc 215ps/2900rpm)
ホイールベース:4.49m

京都急行バス 005


京都急行バス 005/日野U-HU3KLAA+日野車体(BlueRibbon)

神戸市交通局中古車です。
京都急行がセレモニー観光を名乗っていた2005年、
京都駅八条口から東山七条から女坂を登った先にある、
京都女子大学に至る路線バスを開業させて、
乗合バス事業に新規参入した際に用意された
7両のうちの1両で、社番は後から付けられています。

「プリンセスライン」の愛称を持つ、この路線は
観光地の多い東山七条周辺を走るバスが
観光客で慢性的に混雑し遅延が発生しがちなため、
バスによる通学に困難があった京都女子大学への
アクセス改善を図るべく開業されたものです。
開業当初、途中バス停は東山七条のみでしたが、
烏丸七条・京阪七条・京都女子中高前バス停が
2005年中に新設され、利便性が向上した他、
2006年には四条河原町を経由する系統を新設、
その後も路線の新設・再編を繰り返しています。

特注で角型とされたヘッドライトが目を惹く他、
路線車らしからぬホイールカバーも気になります。
開業に際して、景観条例に抵触すると騒がれた
赤色の塗装は今でもそのままとされています。

現在は自社発注車も投入された京都急行ですが、
開業当初に用意された7両はいずれも中古車で、
2両(002・005)がU-HU3KLAA・神戸市中古
4両(001・003・004・006)がU-HU2MLAA・神戸市中古
1両(007)がU-MP218M・阪急中古、という内訳でした。
うち神戸市中古は年式に拠って側面窓の形状が異なり、
001・005はブラックサッシの二段窓ですが、
002・003・004・006はブラックサッシの逆T字窓です。
しかし、このうち神戸市中古車は淘汰が進んでおり、
残存するのは001・005のみとなったようです。

車内は概ね神戸市時代のままとされており、
乗降口側が二人掛け、非常口側が一人掛けの
ハイバックシートもそのまま並べられています。
一般席緑色縦縞・優先席橙色縦縞の座席表皮も、
上が白褐色、下が灰色の内張りもそのままです。
車内で唯一、目立つ移籍時の改造と言えば、
路線の案内や広告などを流す液晶モニタが
運転席背後、及び、側面窓内側に設置されたことで
その部分の側面窓上段が目隠しされているのが
車外からも確認できます。