関東鉄道 1812MK

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関東鉄道 1812MK/いすゞKK-LR233F1+いすゞバス製造(ERGAmio)

水海道市福祉循環バスは、運行開始以来、
1418MK・1721MKがその任に当っていましたが、
2001年に専用車、1812MK・1813MKが投入され、
この2両を置き換えて、低床化が図られました。
外装は1418MK・1721MKがKanaCカラーだったのに対し、
サンプルカラーに準じた黄色一色の塗装が採用され、
前面には「水海道市福祉循環バス」の文字と市章が、
側面には「MITSUKAIDO」のロゴと鶯・桜のイラストが、
それぞれ入れられた専用塗装となりました。

車種はERGAmioで、関鉄ではこれが初導入となり、
ホイールベースは希少な3.75mの短尺(F尺)を
選択していることは特筆すべき点でしょう。
この時期、関鉄では、この手の福祉バス向けに、
短尺の中型車を好んで採用しており、他にも
取手市福祉バス「やァーこんにちは号」の1714TR、
守谷町福祉バス「やまゆり号」用の1719MK
岩井市福祉バス「ひばり号」用の1737MK、
取手市小堀循環バス用の1793TR等も同様です。

当時、俗に「チョロQ」と呼ばれる7m級中型車が
各社から販売されていましたが、これらが駆動部に
アングルドライブ等の特殊な機構を備えていたため、
関鉄はこれを嫌った結果だと考えられますが、
結果的に希少な型式が揃うこととなりました。
なお関鉄では、1812MK・1813MKに続いて、
竜ヶ崎市コミュニティバス「龍・ゆうバス」予備車、
1815RGも同じくF尺のエルガミオを採用しています。

水海道市福祉循環バスは運賃が無料だったため、
整理券発行機・運賃表・運賃箱は省略されており、
運転席脇には自家用車然とした仕切りがあるだけでした。
前面方向幕裏面には停留所名表示機と名札刺しが付き、
運転席背後は行灯ではなく掲示板となっていました。
座席表皮も他車では見られない派手な柄物でした。

2010年、水海道市福祉循環バスは廃止され、2両とも
塗装を一般色に改め、路線車に転用されました。
うち、1813MKは同時につくば中央営業所に転属して、
つくば市コミュニティバス「つくバス」の予備車となりますが、
その後、つくば北営業所に移籍して一般路線車となった後、
2012年に入り、水海道営業所に再度戻ってきています。
残る1812MKは水海道営業所に留まりましたが、
同様にコミュニティバスの予備車へと転用されました。

転用に際しては当然ながら低床色に変更された上で
前面の「ONESTEP」のロゴについては、再塗装ながらも
2009年以降の自社発注車に準じたものが入りましたが
側面の「ONESTEP」のロゴは省略されています。

またこの転用に際して、運賃箱の設置が実施された他、
行先表示機はLED行先表示機に交換されましたが、
当初の側面行先表示機は標準サイズであったため、
これを取付枠ごと撤去し、筐体を窓柱に固定するという、
苦心の跡を感じる工法が採られています。
その他、運転席後部の掲示板のうち、上方の一枚は、
名札等を掲出する白色の鉄板に改められました。
また専らコミュニティバスの予備車を務めることもあり、
運賃表は当初、設置が見送られていましたが、
現在は一般路線での運用を考慮してか、追設されました。
ただし、前述の名札刺しはそのまま残されています。

2011年には1813MKが再び水海道営業所へ転入、
共にこの姿のままで活躍するものと思われていましたが、
2013年に至り1816MK1817MKに代わって、
守谷市コミュニティバス「モコバス」専用車に転用されて
外装も「モコバス」専用のものへと改められていました。
そのため、低床色での活躍は僅か4年に留まりました。

【諸元】
登録番号:土浦200か・213
年式:2004
型式:KK-LR233F1
機関:6HHS(8226cc 225ps/2900rpm)
ホイールベース:3.75m

関東鉄道 1812MK」への2件のフィードバック

  1. 9060MT

    こんばんわ つくば北へ転属されて筑波山口〜土浦駅で運用されてるのを何回か見かけましたが、水海道へ再び返却されたのは使い勝手が悪かったのでしょうかね?ローカル路線としてはピッタリだと思いますが・・・過去にも同じ短尺である9234TKがグリーンへ転属されたのも同様なんでしょうかね?

    つくば北時代、非公式側の広告枠、「ホウガ商会」の看板は目立ちましたね!

  2. 大曽根線

    >>9060MT様
    いつもコメントありがとうございます。
    恐らく、1813TKの水海道営業所への復帰は、
    コミュニティバス予備車の不足によるものだと思います。
    つくば北営業所は、筑波山口―つつじヶ丘線を廃止し、
    つくバスも再編しましたので、余裕が出たのでしょう。
    9234TKも在籍期間は短かったですね。

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