関東鉄道 1988TR


関東鉄道 1988TR/三菱PKG-MP35UM+三菱ふそうバス製造(NewAerostar)

大型車はホイールベース4.8mの短尺車を
一部の例外を除いて標準的に採用してきた関鉄では、
ノンステップ車であっても、1809TR1810TRを除き
これまでの仕様を踏襲した短尺車を投入してきました。

また、関鉄では2001年のバリアフリー法施行以降、
中型車ではノンステップ車とワンステップ車とを、
並行して投入してきたのにも拘わらず、
大型車ではこれまで、ノンステップ車だけに
限定して投入してきていて、ワンステップ車は、
筑波山シャトル用として投入されたワンロマ仕様の
1921TK・1922TK・1923TK・1924YTのみに
これまでは留まっていました。

そんな中、2009年に突如として取手に投入された
1988TRはどういう訳かワンステップ車となり、しかも、
ホイールベース5.3mの標準尺仕様となりました。
このような収容力回帰志向は、首都圏の事業者で
近年見られる傾向ですが、翌年、取手に投入された
2005TRも同じ仕様を踏襲していることから、
やはり収容力回帰を狙った選択だと思われます。

また、この車は三菱ふそうと日産ディーゼルとが、
業務提携を行っていた時期に販売されたもので、
日産ディーゼルが開発した尿素SCRシステム、
FLENDSを搭載しており、その関係もありエンジンが
日産ディーゼル製のMD92となっています。
従って、その走行音は従来のものとは異なり、
低速域は従来の三菱らしい音なのですが、
高速域は日ディSpacerunnerRAのような音が混じる、
まさにこの車の構成を反映しているサウンドです。
なお、このシステムは「AdBlue」と呼ばれる、
専用の尿素水の補給を必要とします。

車内後半部には普通に二人掛前向き座席が並ぶなど、
ワンステップ車・標準尺ながらも車内の仕様は
基本的に1931MT以降の標準的なものとなっていますが、
車内前半部のうち、非常口側が、三方シートでなく、
一人掛けの前向き座席とされたのがポイントです。
もちろん、ワンステップ車故に車内レイアウトは、
段差の小さな無理のないものとなっています。

なお、前面のロゴは、1984MT以降採用された、
英字のものへと変更されたのも特徴です。

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