関東鉄道」カテゴリーアーカイブ

関鉄パープルバス P6040


関鉄パープルバス P6040/いすゞ2KG-LR290J5+J-BUS(ERGAMio)

桜川市コミュニティバス「ヤマザクラGO」専用車で
2023年に下妻本社営業所へと投入されています。

エルガミオは2022年12月にマイナーチェンジを行い、
それと同時に型式の末尾がJ5に変更されていますが、
この車は関鉄初のマイナーチェンジ後のモデルです。
前モデルのJ4は、2019年6月に販売開始された当初、
トランスミッションはAMTのみとされていましたが、
2020年6月にトルクコンバーター式ATが追加されて、
これ以降はAMT仕様とAT仕様が併売されていました。
しかしマイナーチェンジに伴いAMT仕様は廃止され
アリソン製トルクコンバーター式AT仕様のみとなり
AT仕様設定後もAMT仕様を選択してきた関鉄では、
AT仕様のエルガミオも、この車が初導入となります。

外装は「ヤマザクラGO」専用車であるP6033と同じく
全体が薄桃色を地色として、桜の花が散りばめられ、
雛人形や筑波山、雨引観音など名所名物が描かれた
可愛らしい専用の外装が、遠目にも目立つ存在です。
リアには桜川市のゆるキャラ「いしおさん」と共に
真壁高校のゆるキャラ「まかぴょん」も描かれます。

行先表示機は、オージ製の白色単色LED行先表示機の
DWL-91A-1470F・DWL-91BX-740・DWL-91FC-1240F
となったこともこの車の大きな特徴となっています。
関鉄では2194MT以降、レシップ製のLED行先表示機、
DFE-C11CW・DFE-C22CW・DFE-C33CWが採用されて
一部フルカラーを活かした表示も使われていますが、
この車がレシップ製ではなくオージ製となったのは
従来の専用車等とデータの互換性を保つにあたって、
レシップ製以前に関鉄標準だったオージ製橙色LED、
DL-91D-1470F・DL-91BX-740F・DL-91C-1240Fが
販売終了となったことを受けた対応たと思われます。
加えて側面行先表示機が2040MT~2043YTと同様に
戸袋窓の下方に寄せて設置されたのも目立ちますが、
これらは、神栖市コミュニティバス専用車として
2022年に投入された、2246ITと共通する仕様です。

車内は灰色、床は濃灰色の木目調の平滑な床材張り
座席配置は、メーカー設定の郊外Ⅱ型とされたため
左側前半が前向き1人掛2列、後半が前向き2人掛3列、
右側が前向き1人掛1列・前向き2人掛7列とされて、
右側前輪タイヤハウス上に座席が設けられている他、
4・5列目は2人掛ながらも折畳座席となっています。
座席表皮は優先席が青色地に紺色のハートマークと
優先席を示す黄色のピクトグラムが配されたもの、
他は青色地に紺色のハートマークが配されたもので、
降車釦はレシップ製KSP-520で、握り棒は橙色です。

更に従来のクラリオン製音声合成放送装置に変わり
レシップ製運行支援システムLIVUが搭載されました。
このLIVUは運転席右側に設置された縦長のモニタに
出発時刻やナビゲーション等を表示する機能を持ち、
また自動歩進の機能もあり早発や経路間違いを防ぎ
停留所送り操作忘れによる運賃の誤収受も防ぎます。
またバスロケーションシステムにも対応しています。
LCD表示機もレシップ製OBC-VISION “S”が採用され
表示内容も従来のクラリオン製から変更されました。
関鉄ではクラリオン製音声合成放送装置CA-6000の
運行支援システムLIVUへの換装が進められています。

「ヤマザクラGO」は現在、専用車が3両の体制ですが、
当車の投入でP6002が廃車となり代替が進みました。

【諸元】
登録番号:つくば200か1173
年式:2023
型式:2KG-LR290J5
機関:4HK1-TCS(5193cc 210PS/2400rpm)
ホイールベース:4.4m

関東鉄道 9540YT


関東鉄道 9540YT/いすゞPJ-LV234L1+J-BUS(ERGA)

川崎鶴見臨港バス中古車で、旧社番は1A268です。
2005年に神明町営業所へ投入された1S261・1S262、
塩浜営業所へ投入された1A266~1A269、そして、
鶴見営業所へ投入された1T276~1T280の計11両は
ノンステップ仕様のいすゞ大型車となっています。
うち1A268は2022年に廃車後、1S261・1S262と共に
関鉄へ移籍を果たして、翌2023年に9540YTとして
つくば中央営業所へ配置されて活躍を始めました。
1S261・1S262はそれぞれ9538MR・9539MRとして
やはり2023年に守谷営業所へと配置されています。
臨港中古車は1991年投入の9036TR~9041YT以来、
実に32年振りの投入となっており、注目されます。

事業者間での仕様の標準化が進んできたこともあり
同型式の他社の中古車との外観の差は少ないですが、
屋根上後方に角型の通風機が設置されていることと、
左側のサイドミラーの形状が他社とは異なることが
遠目からでも目立つところで判別は比較的容易です。
国土交通省認定ノンステップバス標準仕様を採用し
それを示す青色のステッカーも側面のみ残ります。

車内は内張りが灰色、床が濃灰色の平滑な床材張り、
握り棒は橙色の緩衝材巻きとなる無難な仕様とされ
座席配置については、左側前半が前向き1人掛1列と
横向き1+2人掛、同後半が前向き2人掛4列とされて
右側は前向き1人掛5列・前向き2人掛4列でそのうち
2〜5列目は車椅子固定用の折畳座席とされています。

座席表皮は、優先席が群青色のドット柄をベースに
パステルカラーのピクトグラムが入ったものとされ、
他は青色のドット柄のもので、落ち着いた印象です。

近年、京成中古車が入手しにくくなっているためか、
京成以外からの中古車が再び数を増やしていますね。

【諸元】
登録番号:土浦200か1738
年式:2007年
型式:PJ-KV234L1
機関:6HK1-TCC(7790cc 260ps/2700rpm)
ホイールベース:4.8m

関東鉄道 2249MR


関東鉄道 2249MR/BYD 型式不明(K8)

2023年式の自社発注車のうち、2248MR・2249MRは、
2237MRに続く比亜迪汽車製の電気バスとなりました。
車種は、全長10.5mの大型車であるK8が選択されて、
2237MRとは異なり一般路線車として投入されました。

K8は比亜迪が2011年より販売する世界向けモデルで
日本においても2021年以降各地で投入されています。
先行して販売されていたK9より全長が1.5m短縮され
バッテリー容量は324kWhから287kWhと減りましたが
軽量化が図られたことで後軸の軸重が10t未満となり
K9では必要だった特殊車両通行許可が不要になって
国交省標準仕様ノンステップバス認定も受けており、
本邦でも扱いやすい仕様になっているのが特徴です。

バッテリーは屋根上に積載され、車高は3.36mです。
最高速度は70km/h、最長航続距離は220kmとされて
CHAdeMO規格を採用、充電時間6時間とされました。
駆動方式はインホイールモーターで、左右後輪用に
各々定格75kwの永久磁石同期電動機モーターを搭載、
モーターはIGBTインバーターによって制御されます。
トランスミッションはもちろん搭載されていませんが、
D・N・Rのみの、ボタン式のセレクターがあります。
また災害時に電源供給車としても運用できる仕様で
一部座席にバス車載用USB充電器も設置されました。

車体にはアルミニウム合金が多用されてていますが、
同クラスの国産ディーゼル車が13~14tなのに比して
重量は16.35tに達して、更なる軽量化が課題です。
K8は、2023年末にマイナーチェンジを予定しており、
ブレードバッテリー化により314kWhへ容量増を図り
後輪タイヤハウス間の床まで平坦化される予定です。

塗装はデザイナーの蓮見孝・岸本健の両氏が手がけ
従来の塗装をベースに「だれにでも受け入れられる、
人と社会にやさしいバス」をテーマとしたとされて
前面と後面に差を持たせ進行方向を分かりやすくし
中扉周辺を黄色にし入口が目立つ工夫がされました。
前面腰板・側面腰板・後面腰板にEVのロゴが入る他
側面幕板部に「ELECTRIC BUS」のロゴが入っており
電気自動車であることが分かりやすいデザインです。

行先表示機はレシップ製で、一部がフルカラーLEDの、
DFE-C11CW・DFE-C22CW・DFE-C33CWが採用されて
うち、側面行先表示機は中扉後方に設置されました。
非常口が左側面最後部に設置されたことも特徴です。

車内は内張が明灰色、床が濃灰色の平滑な床材張り、
座席配置はメーカーが設定している都市型Ⅰとされ、
左側前半が前向き1人掛3列、後半が前向き2人掛4列
右側が前向き1人掛5列と、前向き2人掛4列とされて、
そのうち2~5列目は、車椅子固定用の跳上座席です。
座席は基本的に中国製と思しき樹脂製のものですが
跳ね上げ座席のみは日本(天龍工業)製のものです。
座席表皮は優先席も一般席もカタログと同じもので
優先席は紺系の柄物、一般席が青系の柄物とされて
降車釦はオージ製WS-280とされ、握り棒は橙色です。

航続距離が長く夜に充電することで終日運用可能で
守谷営業所管内の各路線で運用されるだけではなく、
筑波山シャトルなどでも運用されることもあります。
関鉄では今後も電気自動車の投入を継続する予定で、
今後も同型車が投入されるのか気になるところです。

【諸元】
登録番号:つくば200か1138
年式:2023
型式:型式不明
モーター:定格75kw、最大100kw
ホイールベース:5.5m