日別アーカイブ: 2020/09/13

関東鉄道 9513MR


関東鉄道 9513MR/日野BJG-HU8JMFP+J-BUS(BlueRibbonCity)

東京ベイシティ交通中古車であり旧社番は1302です。
2007年、ベイシティへ投入された1301・1302の2両は
ベイシティでは初のハイブリッド車となり、なおかつ
ベイシティでは少数派の日野車であり目立つ存在で、
大型路線車では日野車はこの2両のみとなっています。
日野は、1994年より電気ディーゼルハイブリッドバス、
HIMRを他社に先んじて市販した実績を持つこともあり
ハイブリッド車の投入に際し日野を選択する事業者は
このベイシティに限らず、他にも見ることができます。

ホイールベースはベイシティらしく輸送力を重視した
10.925mの標準尺(M尺)が選択されてはおりますが
窓割りの関係からかあまり長く見えない仕上がりです。
2019年に2両共廃車になりましたが、関鉄へと移籍し、
2020年には、1301が9513MR、1302が9514MRとして
いずれも守谷営業所へと投入されて、活躍しています。

ハイブリッドシステムはHIMRを踏襲したパラレル式で
かつ、あくまでもモーターはエンジンのアシストに徹し
モーターのみでの走行しないマイルドハイブリッド式で
そのためモーターの出力は41kwと控え目になっています。
エンジンは同クラスとしては小ぶりの7.6Lのものとされ
モーターはオルタネーターのようにエンジンに直結され
発車や登坂など高負荷時にモーターがアシストする他は、
モータ―が発電機となり、充電を行いながら走行します。
トランスミッションはマニュアルトランスミッションで
シフターは当然ながらフィンガーシフトとなっています。

HIMRはバッテリーが床下搭載のため低床化に難があり、
バッテリーをニッケル水素電池に変え屋根上に積載して
車内前方のノンステップ化が図られているのも特徴です。
外観ではこの屋根上のバッテリーのカバーがよく目立ち
このカバーにベイシティ時代と同じロゴが入っています。
また既存のハイブリッド車に併せ前面腰板部と戸袋窓に
既存のハイブリッド車と同様のロゴが入れられています。
ベイシティ時代の中扉の窓の注意書きは剥がされました。
またテールランプは改正後の灯火器保安基準に対応して
日野レインボーHRと同様に、市光工業製4414・4415を
下部に寄せて縦に並べているため印象的なスタイルです。

車内は、内張りが灰色、床が濃灰色の平滑な床材張りで
握り棒は橙色の緩衝材巻きと新車と遜色ない仕様とされ
座席配置は左側前半が前向き1人掛1列と横向き1+2人掛
そして中扉を挟んだ後半が前向き2人掛4列とされており
もう一方の右側は、前向き1人掛5列・前向き2人掛4列で
うち2〜5列目は車椅子固定用の折畳座席とされています。
また最後列の中央部は、定員を抑制し軸重を抑えるため
アームレストが設置されていることが特筆されます。

座席表皮は優先席が青地に水色の「PRIORITY SEAT」と
優先席のピクトグラムが入れられたものとされており、
他は群青色系の派手な柄物とされていて明るい印象です。

近年の関鉄はハイブリッド車の投入が相次いでいますが、
初の中古車である9513MR・9514MRは一際目立ちます。

【諸元】
登録番号:つくば200か・961
年式:2007
型式:BJG-HU8JMFP
機関:J08E-1M(7684cc 240ps/2500rpm)+1M(41kw)
ホイールベース:10.925m