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終点の景色:偕楽園

FH020013

関東鉄道 偕楽園(かいらくえん)

本郷・払沢線(偕楽園~水戸駅~千波上本郷~払沢~水戸駅~偕楽園)が
主に使用する折返場で、偕楽園駅前の偕楽園下駐車場に隣接しています。
徳川光圀と徳川斉昭を祀る常磐神社の石段を降りたところにあり、
偕楽園の入口である東門へはこの石段か、石段脇にあるスロープで
台地上に上がらなければならず、偕楽園へのアクセス性は今一つです。
とはいえ、日中でも本郷・払沢線は20分間隔で運行されているため、
本数の面では偕楽園へのアクセス手段として申し分ありません。

従って、時間によっては2、3両の車両が待機する姿も見られ、
各社のバスが入り乱れ、多くの車両を留め置くには難のある
水戸駅北口のバスターミナルの補完的な役割も担っています。

さて、この本郷・払沢線は途中、狭隘区間を含んでいるために、
中型車の限定運用とされているのが大きな特徴です。
実質的な循環路線ですが、循環路線としては案内されず、
「本郷経由畑中行き」「払沢経由畑中行き」と案内されており、
方向幕も途中、畑中バス停付近で表示を変更しています。
かつては降車バス停が同一であっても運賃が異なるなど、
運賃計算上も循環路線として取り扱われていませんでした。

なお、偕楽園と水戸駅を結ぶバス路線はこの本郷・払沢線だけではなく、
茨城交通の10系統(水戸駅~歴史館~偕楽園~水戸駅)もありますが、
茨交の偕楽園バス停は関鉄の偕楽園バス停とは位置が異なり、
偕楽園の東門から常磐神社の境内をまっすぐ進んだ場所にあります。

この10系統、観梅シーズンには平日休日とも増発されていますが、
オフシーズンは本数も少なく、しかも不等間隔のダイヤであるため、
アクセス手段としての使い勝手は御世辞にも良いと言えませんが、
偕楽園側も水戸駅側もバス停の位置は10系統の方が良いため
オフシーズンでもこちらを利用しようとする観光客が多いようで、
ちょっと可哀想な感じが否めないのが可笑しいところです。

終点の景色:小堀


関東鉄道 小堀(おおほり)

小堀循環(小堀~取手駅入り口~かたらいの郷)の折返場です。
小堀循環は1911年から実施された利根川の改修工事によって生じた、
取手市の飛び地である小堀地区と対岸の市街地を結ぶ、
取手市の福祉バスで、運行は関東鉄道に委託されています。
小堀地区の南側には、かつての流路の痕跡が古利根沼という
三日月湖として残されており、県境もここに引かれています。

元々、小堀地区と対岸の間には、1928年に運航を開始した
小堀の渡しと呼ばれる無料の渡し舟が運行されていましたが、
利便性や安全性の観点から、1999年に小堀循環に代替され、
小堀の渡しは、有料の観光船として存続されることとなりました。
小堀の渡しの小堀乗船場は当折返場の近くにあります。

小堀循環は小堀地区内の道路が狭隘であることに加えて、
途中で経由する利根水郷ラインは起伏が激しいため、
短区間ながらもなかなかスリリングな路線となっています。

終点の景色:先後


関鉄グリーンバス 先後(まつのち)

先後・三箇線(先後~堅倉~三箇坂下)の折返場です。
同路線は、堅倉小学校スクールバスとしての性格が強く、
区間便の堅倉~三箇坂下を入れても一日二往復という、
極めて乗車しにくい路線となっています。

同路線は茨城県道59号玉里水戸線を進みますが、
途中にバスの走行が不可能な狭隘箇所が存在するため、
すぐに県道を外れて橋場美入口バス停へと向かい、
国道6号を進んだ後に、堅倉バス停から県道59号に戻る、
という複雑なルートを辿ることは特筆されるところです。

かつては、この県道59号を北上した先の飯沼まで、
ジェイアールバス関東飯沼線が来ていましたが、
その後、飯沼線は常陸高田までに短縮された上、
現在は茨城交通に移管されています。