関東鉄道 9373YT

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関東鉄道 9373YT/三菱KC-MP747M+三菱バス製造(Aero Star)

南海バス中古車です。
この車は、2000年に泉北コミュニティバス専用車として、
泉北営業所へ投入された14両のうちの1両でした。
金剛駅と狭山ニュータウンを結ぶ泉北コミュニティバスは
いわゆるコミュニティバスではなく、一般路線ですが、
1987年、扉配置こそ当時の南海では一般的な後引戸ながら、
前面が観光前構、側面窓がスモークガラスの固定窓とされた、
豪華仕様のエアロスターMが専用車として投入されて以来、
この愛称が付けられ、他路線と差別化が図られています。

この初代専用車の代替のために投入されたこの車は、
スモークガラスの固定窓という仕様を受け継いでいる他、
堺シャトルと共通の塗装だった初代専用車とは異なり、
薄黄色に花模様のステッカーが貼られた専用の外装とされ、
南海の路線車の中でも一際目を惹く存在となっていました。
ちなみに花模様のステッカーは側面窓に掛かる大きなもので、
しかも緑色・桃色・茶色の三種類が用意されていました。
扉配置はノンステップ車ということで中引戸とされていますが、
中扉下部に明かり窓があるのも目を惹くところです。
その他、純正のホイールキャブも引き続き装着されていました。

また後面については、ナンバープレート取付座の設置位置が
メーカー標準の腰板部ではなくバンパー部とされ目立ちますが、
これは当時の南海の路線車としては、ごく一般的な仕様です。
テールランプは、裾部はテールランプとウィンカーのみとされ、
腰板上部に補助ブレーキランプと補助ウィンカーが付く上に、
バンパー内にバックランプを埋め込んだ独特の配置です。
またクーラーが前方に搭載されているのも注目されますね。

車内も先代専用車に併せる形で、やはり豪華な仕様とされ、
灰色の内張りに、濃灰色の床材張り、茶色の運転席周りで、
天井中央部には幅広のラインライトとラインクロスファンが奢られ
座席は白色で布製のヘッドレストカバーと肘掛が付けられた
ハイバックシートとされるなど貸切車並みとなっています。
また運転席背後には液晶テレビがつけられていました。

座席表皮は一般席・優先席共に、臙脂色と灰茶色の斑模様に、
黄色・桃色・水色・灰茶色の模様が入った柄物とされており、
前輪タイヤハウス側面の緩衝材も同様の生地となっています。
座席配置は前輪タイヤハウス上と乗降口側前半部のみが
前向き一人掛けである他は、前向き二人掛けとされており、
乗降口側が前半4列・後半3列、非常口側が9列という、
南海の当時の標準仕様より座席数を増やしたものです。
また、戸袋部の2列は車椅子固定用の折り畳み座席ですが、
折り畳みに備えて座面側面に降車釦が付いています。

その他、前輪タイヤハウス上の一人掛け座席の後方には、
樹脂製の荷物置きが設置されているのも目を惹きます。
つり革はおにぎり型で、握り棒は黒色の緩衝剤巻きです。

2013年に新たな泉北コミュニティバス専用車が投入され、
この14両については、一部が分離子会社に転出した他、
うち2両が9373YT・9374YTとして関鉄入りしています。
移籍に際しては、当然ながら塗装が変更された他
ホイールキャップもさすがに取り外されていますが、
豪華な原型を比較的留めているのが嬉しいところです。
側面窓周囲は元々黒色のサッシに合わせられたのか、
無難に黒色に塗装されており、引き締まった印象です。
車内も液晶テレビが外された他は、ほぼそのままとされており、
ヘッドレストカバーなども装着されたままとされています。
非常に特徴がある車両だけに、当地での活躍が楽しみです。

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【諸元】
登録番号:つくば200か・487
年式:2000
型式:KC-MP747M
機関:6D24(11945cc 240ps/2200rpm)
ホイールベース:5.3m

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関東鉄道 9373YT への2件のフィードバック

  1. Y のコメント:

    ヘッドレストカバーは使用をやめ、全て取り外して運用されています。

  2. 大曽根線 のコメント:

    >>Y様
    いつもコメントありがとうございます。
    流石に営業開始に合わせてヘッドレストカバーは撤去され、
    現在座席にはマジックテープが残るのみとなったようですね。
    とはいえ、一般路線での活躍は嬉しいですね。

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